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2012 年度 実施状況報告書

禅林における幼童・少年僧をめぐる文筆活動

研究課題

研究課題/領域番号 24520255
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鈴峯女子短期大学

研究代表者

朝倉 尚  鈴峯女子短期大学, その他部局等, その他 (80033231)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード五山文学 / 艶詞文芸 / 詩(偈頌)の総集 / 禅琳聯句 / 錦繍段(抄) / 続錦繍段(抄) / 『歳寒集』
研究概要

本研究の目的は、禅琳における幼童・少年僧をめぐる文筆活動について、現存する作品集を対象として、その存在意義を具体的に究明することにある。艶詞文芸と詩(偈頌)の総集の分野に大別して、これまでの研究を踏まえながら、作業と検討を遂行した。
未収集作品集については、大谷大学図書館、駒沢大学図書館、東京大学史料編纂所、国会図書館、内閣文庫、東洋文庫、尊経閣文庫、建仁寺両足院に出張し、調査するとともに、直接撮影することもあるが、多くは複写を依頼した。特に『錦繍段(抄)』『続錦繍段(抄)』の主要諸本について集中的に行った。作品集(諸本)の特徴と作品読解については、特に『錦繍段(抄)』『続錦繍段(抄)』の底本を選定し、これの翻字を行いながら、諸本間の校合の用意を整えた。艶詞文芸については、宛人・雲英宗悦をめぐる活動と、差出人・梅雲承意『歳寒集』所収の「木母集」作品群について、分析・検討の結果を雑誌論文と紀要論文中(後掲、研究発表欄参照)で詳述した。
なお、学会やシンポジウムにも参加し、研究情報の収集、学界の動向に触れることにも務めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

艶詞文芸の分野においては、宛人・雲英宗悦をめぐる艶詞活動の実態と、差出人・梅雲承意の作品集『歳寒集』所収の「木母集」作品群(東叔等元宛)の分析・検討の結果を、論文として発表できた。詩の総集『錦繍段(抄)』『続錦繍段(抄)』を中心に、主要諸伝本の調査、収集がはかどり、底本の選定も進んだ。

今後の研究の推進方策

『錦繍段(抄)』『続錦繍段(抄)』の諸伝本の調査・収集を徹底し、諸本間の校合を進めるとともに、両集の収集源である『新選集』『新編集』の諸本を収集・整理し、両集の編纂過程と入集状況を解明する。その際には、作者名表記を一つの指標とすることにした。
総称「一節集」について、三本の異本の異同について調査を続行し、読解を心掛ける。
再評価に備えた準備としては、諸本中より『錦繍段』については慶長二年刊本(東洋文庫・岩崎文庫)、『続錦繍段』については古活字版(東洋文庫・岩崎文庫)を選び、底本作りを完成する。

次年度の研究費の使用計画

未収集の諸伝本を所蔵する各機関に赴き、直接に閲覧、調査する。その上で貴重な資料については文献複写する必要がある。そのために、主として旅費と文献複写代として使用する。また禅琳の文芸(五山文学)全般に対する関心も高くなりつつあり、その情報や学会動向を知るために、シンポジウムを始めとする会合にも出張し、本研究の意義を確認したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 演出された文芸「艶詞」に関わる活動―宛人・雲英宗悦の場合―2012

    • 著者名/発表者名
      朝倉 尚
    • 雑誌名

      国語と国文学

      巻: 89-6 ページ: 21-38

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 景徐周麟の文筆活動―延徳四年=明応元年(2)―2012

    • 著者名/発表者名
      朝倉 尚
    • 雑誌名

      人文社会科学研究集報(鈴峯女子短期大学)

      巻: 59 ページ: 1-27

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公開日: 2014-07-24  

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