• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

禅林における幼童・少年僧をめぐる文筆活動

研究課題

研究課題/領域番号 24520255
研究機関鈴峯女子短期大学

研究代表者

朝倉 尚  鈴峯女子短期大学, その他部局等, その他 (80033231)

キーワード五山文学 / 艶詞文芸 / 詩(偈頌)の総集 / 禅林聯句 / 錦繍段(抄) / 続錦繍段(抄) / 総称「一節集」 / 新選集・新編集
研究概要

本研究の目的は、禅林における幼童・少年僧をめぐる文筆活動について、現存する作品集を対象として、その存在意義を具体的に究明することにある。艶詞文芸と詩(偈頌)の分野に大別して、これまでの研究を踏まえながら、作業と検討を続行した。
未収集作品については、西尾市岩瀬文庫、京都大学附属図書館、慶應義塾大学三田メディアセンター貴重室、国会図書館、内閣文庫、天理大学付属天理図書館、大東急記念文庫、東洋文庫、建仁寺両足院等に出張し、調査するとともに、直接撮影することもあるが、複写を依頼するほか、余儀なく筆写することをした。内閣文庫と建仁寺両足院では直接に撮影されることを許され、大いに実をあげることができた。大東急記念文庫は、一冊の筆写、校合のために多くの日数・経費を費やした。
『錦繍段(抄)』『続錦繍段(抄)』の主要諸本については収集を終え、比較、校合に入り、作品集(諸本)の特徴と作品読解の段階に進んだ。艶詞文芸については、最初の本格的な作品集と見なされている総称「一節集」の解明に取り組んだ。容易に披見可能の続群書類従所収『心田詩藁』付載部を底本としたが、原態を示すのは大東急記念文庫本『一節集』であると考えられ、筆写のために頻繁に訪館せざるを得なかった。底本の特徴、不備を指摘し得る資料は整いつつある。
将軍家を出自とする喝食・維山周嘉の試筆詩に対する禅林の対応について、紀要論文中(後掲、研究発表欄参照)で詳述した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

『錦繍段』『続錦繍段』については底本の翻字を済ませ、諸本の校合を進めた段階である。問題点の所在についても、若干は指摘し得る段階である。艶詞文芸の分野では、心田清播の総称「一節集」の解明に本格的に取り組んだ。大東急記念文庫『一節集』の存在が鍵を握っていると考えられるので、筆写、校合に取り組んだ。
景徐周麟『翰林葫蘆集』所収の、将軍家出自の喝食・維山周嘉への試筆唱和詩を取り上げ、成立の背景や経緯を詳細に調査、検討して、紀要論文の主要部として発表した。

今後の研究の推進方策

『錦繍段(抄)』『続錦繍段(抄)』の問題点の所在、特に両集の収集源である『新選集』『新編集』との関わりにおいて派生しているものについて、検討を加え、論文としたい。
艶詞文芸の分野での作品集としては、最も古い成立とされる総称「一節集」について、まずは現状では簡便な利用可能の点から底本とせざるを得ない。続群書類従所収『心田詩藁』付載部の抱える多くの問題点について解明を進める。そのためには大東急記念文庫『一節集』と建仁寺両足院『江西一節集』の調査、検討を同時に進めることになる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 景徐周麟の文筆活動―延徳四年=明応元年(3)―2013

    • 著者名/発表者名
      朝倉 尚
    • 雑誌名

      人文社会科学研究集報(鈴峯女子短期大学)

      巻: 60 ページ: 1-27

  • [学会発表] 厳島八景の成り立ちと関わった人達2013

    • 著者名/発表者名
      朝倉 尚
    • 学会等名
      NPO法人おおのの風
    • 発表場所
      宮島(広島県廿日市市)成風館
    • 年月日
      20131109-20131109
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi