研究課題
基盤研究(C)
本研究では、パノラマや写真、映画など、明治から昭和期にかけて発達した視覚的メディアに注目し、特に太平洋戦争の開戦から終戦までに書かれた戦争詩が、詩の表現として視覚的な様相を含み込んでいたことの意味を考察した。丸山薫の戦争詩は、その視覚的な表現において特徴的であるが、一方でそれは他の詩人、批評家たちにも共有された視覚的メディアの影響の結果であり、他方で「戦争」において要請された銃後の情報戦、あるいは兵站術の産物でもあったと考え、詩の表現を通じて戦争詩における視覚性のあり方を明らかにした。
日本近代文学