研究課題/領域番号 |
24520262
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
海野 圭介 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (80346155)
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研究分担者 |
藤實 久美子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (90337907)
新美 哲彦 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (90390492)
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キーワード | 黒川家 / 国学 / 蔵書 / 蔵書形成 / 書誌学 |
研究概要 |
本研究は、書籍の流通と蓄積の検討に基づき江戸期における〈知〉の流通の一端を明らかにすることを目的とする。具体的には、ノートルダム清心女子大学、実践女子大学に分蔵される近世後期の国学者・黒川春村(1799-1866)、真頼(1829-1906)、真道の3代により収集された蔵書群(主として物語・和歌とその注釈、享受・研究資料等の文学関係資料)を対象とし、個別の書誌学的調査を行いその奥書・識語と蔵書印の集成の作業を通して、黒川家に蓄積された書物の流通経路の検討を通して、〈知〉の流通の具体相の総体的把握を試みる。 当該研究の調査・検討課題項目のうち、「江戸期知識階層のネットワークに関する検討」の課題については、ノートルダム清心女子大学に分蔵される主として文学(和歌・物語)に関わる書物群の調査を行い、併せて奥書の記載事項の集成と蔵書印・伝領識語の記載内容の集成を試みた。具体的には、本研究に前接する科学研究費による研究等により蓄積された調査カードに基づき、紙媒体のデータ1100点の全体を最初に電子化し、それに追記するかたちでデータの再検討と整備を行った。本年度については簡易的な整備を400点、画像データの追記や個別のコメントを含む整理を130点に対して行った。「江戸後期の蔵書形成に関する書誌学的検討」の課題では、書誌学的知見よりデータの蓄積を行った。具体的には、古典籍の表紙と蔵書印の画像データを中心に、書籍の形態に関わるデータの蓄積と分析を試みた。平成25年度においては、ノートルダム清心女子大学所蔵分約1100点のうち200点の作成を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画を一部変更し、初年度に紙媒体のデータ総体を電子化し、調査の便宜を図った。当初計画からは少々の遅れが出ている。本年度の調査成果は下記の通り。当該研究の調査・検討課題項目のうち、「江戸期知識階層のネットワークに関する検討」の課題については、紙媒体のデータ1100点の全体を最初に電子化し、それに追記するかたちでデータの再検討と整備を行った。本年度については簡易的な整備を400点、画像データの追記や個別のコメントを含む整理を130点に対して行った。「江戸後期の蔵書形成に関する書誌学的検討」の課題で、書誌学的知見よりデータの蓄積を行った。具体的には、古典籍の表紙と蔵書印の画像データを中心に、書籍の形態に関わるデータの蓄積と分析を試みた。平成25年度においては、ノートルダム清心女子大学所蔵分約1100点のうち200点の作成を達成した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、前年度の調査計画の遅れを取り戻すべく、研究協力者を増員して調査を行う。成果の迅速な公開を目的とし、奥書及び書誌情報については、ノートルダム清心女子大学との協力を進め、蔵書印関係の情報については国文学研究資料館から公開されている蔵書印データベース(仮題、蔵書印関係のデータとともに一部の書誌的データを付記して公開の予定)からの発信を想定し、順次公開環境を整えてゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査資料所蔵機関の予定と調査担当者の予定の不一致等により、平成25年度の調査計画が遅延したことに伴い、人件費及び交通費等の支出が減少したため、研究計画との不一致が生じた。 昨年度の調査計画の遅延を取り戻すべく、本年度は研究協力者を増員した。その調査旅費及び、データ入力作業者への謝金として、昨年度未使用の経費を充てる。
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