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2013 年度 実施状況報告書

二十世紀以降における希望の原理としてのユートピア言説と共同体の再創造/想像

研究課題

研究課題/領域番号 24520268
研究機関福島大学

研究代表者

川田 潤  福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70323186)

キーワードユートピア / 共同体 / ユートピア的衝動 / 想像力
研究概要

平成25年度は昨年度の基礎的作業を踏まえ、資料を補いつつ、具体的なテクスト分析を理論的成果を活かして行い、作業仮説および成果をまとめた。
(1)ユートピア言説の理論、テクスト読解。ユートピア的衝動という観点から具体的なテクスト分析を行った。1)共同体とユートピアという観点から、実際に存在した・する共同体に注目し、共同体の記録、あるいは、災害時に生じるユートピア的共同体のテクストを収集した。2)想像力とユートピアという観点から、想像力とユートピア的衝動の関係を探り、ユートピアを閉塞的にではなく、創造・改変の力としてとらえる可能性を探った。3)社会主義的ユートピアの詳細な分析という観点から、社会主義的ユートピアを、ブロッホの希望の原理という概念を軸に、単純に社会主義vs.反社会主義的な対立では整理ができないことを確認し、その多様性を考察した。
(2)ユートピア言説の学際性の再検討。文学以外の(ユートピア的衝動をもつ)テクストと文学テクストを同時並行的に、以下の四つの互いに重なり合う分野のテクストを対象に分析した。1)政治言説におけるユートピア的衝動(社会主義との関連) 2)経済言説におけるユートピア的衝動(資本主義およびその批判について) 3)文化的言説におけるユートピア的衝動(美術、娯楽について) 4)宗教的言説におけるユートピア的衝動。
また、以上について、隣接する分野の研究者から情報提供および成果へのコメントなどのやりとりを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

テクストの収集については、おおむね順調に進んでいるが、実在したユートピアに関する資料収集は若干遅れている。ブロッホの理論に関する検討は、論文等で、十分に行っているが、専門家との意見交換ができていないため、見落としがある可能性がある。文学以外の分野とのすりあわせに関しては、おおむね順調ではあるが、経済的なユートピア思想に関する文献は、やや従来のものと変わらないもので、新たな資料の発見にはいたっていない。

今後の研究の推進方策

過去2年間で得られた成果を踏まえ、二十世紀以降におけるユートピア言説を、足りない資料(経済関係がとりわけ)を補い、ユートピア的衝動と共同体の再想像/創造という観点から学際的に総括する。
その際、従来のユートピア研究の枠組みに変更(具体的に言えば、定住的なイメージでは無く、移動を基盤としたユートピアの可能聖)をさぐり、ユートピア思想の意義(今後の新たな思想的な可能聖)を確認するとともに、従来の研究とのすりあわせも行う。
このような作業を通じて、二十世紀以降のユートピア思想の新しい重要性を研究会等で提起し議論を行い、口頭発表し、その後の論文の執筆の基盤とする予定である。

次年度の研究費の使用計画

研究会を開催する予定が開催できないため、および、資料収集の中で一部分野の収集すべき資料が予定より少なかったため。
次年度に研究会等を開催、また、他分野の専門家からの情報提供をうけることで、当該額の使用を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 最近の17世紀研究の動向と論文の特徴

    • 著者名/発表者名
      川田潤
    • 学会等名
      17世紀英文学会東北支部
    • 発表場所
      東北学院大学土樋キャンパス

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公開日: 2015-05-28  

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