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2015 年度 実施状況報告書

〈知識の枠組み〉と南北戦争前アメリカ散文―〈ライフ〉をめぐる知識史

研究課題

研究課題/領域番号 24520270
研究機関筑波大学

研究代表者

鷲津 浩子  筑波大学, 人文社会系, 教授 (30149372)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワードライフ / ロー(law) / 飲酒の歴史 / 禁酒運動 / 南北戦争前アメリカ散文 / 飲料水
研究実績の概要

4年前から始めた「ライフ」と「ロー(law)」の接点としての法医学の形成史を通して南北戦争前アメリカ散文を読み直す計画は順調に進んでいる。19世紀法医学の中心課題であった「セクシュアリティ」「毒薬学」「狂気」の3つのうち、27年度からは「毒薬学」と「狂気」の両方を見据えたテーマとして、飲酒問題をとりあげている。
これまでの先行研究では、主に禁酒運動の側面から文学テクストを読んできたが、禁酒運動へと至る飲酒の歴史について十分に研究されてきたとは言えない。ことに、それまでの飲酒がどのようなものであったか、その飲酒を禁止する方向に向かった経緯は何か、禁酒を可能にした要件とそれに伴う問題点をリサーチした。また、飲酒問題とは切り離されて論じられてきた飲料水の問題にも、また上水道の整備に伴って流行した水治療(water cure)の問題にも、目を配る必要があった。このようなリサーチの結果、エドガー・アラン・ポウのいわゆる飲酒がらみの短編だけではなく、水に関してもいくつかの発見があった。
以上のリサーチの成果は、2016年7月末にロンドンで開催されるInternational Association of the University Professors of English(会員選出制の国際学会)の国際会議で、招聘発表することがすでに決定されている。
また、天・海・地をめぐる19世紀前半の新学問と南北戦争前アメリカ散文を論じた『文色と理方』(印刷中)に続いて、医学史との絡みを論じる単著本も計画が進んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リサーチは順調に進んでいるが、2016年7月末の国際会議での発表が終わらなければ、平成27年度の成果が確定したとは言えないため。

今後の研究の推進方策

今後は2016年7月の発表に向けて論点の整理と原稿執筆をする。さらには、飲酒問題と法医学の課題との関連性をほかの視点(たとえば「セクシュアリティ」と飲酒))から論じることによって、この問題の広がりをとらえたい。

次年度使用額が生じた理由

夏季休暇中の長期出張を取りやめたため。26年度出版予定の単著本が編集者の病気のために延期されたので、出版前にさらなる推敲を行った。

次年度使用額の使用計画

2016年7月末にロンドン大学で行われる国際会議出張に使う予定。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] アメリカの庭園/庭園のアメリカ2015

    • 著者名/発表者名
      鷲津浩子
    • 雑誌名

      イギリス・ガーデン研究会雑誌

      巻: 2 ページ: 39-45

    • 査読あり
  • [学会発表] Matters of Spirit2016

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Washizu
    • 学会等名
      International Association of the University Professors of English
    • 発表場所
      University of London (ロンドン、連合王国)
    • 年月日
      2016-07-25 – 2016-07-29
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] アメリカの庭園/庭園のアメリカ2015

    • 著者名/発表者名
      鷲津浩子
    • 学会等名
      イギリス・ガーデン研究会
    • 発表場所
      イーグレ姫路(兵庫県姫路市)
    • 年月日
      2015-09-18
  • [図書] 文色と理方――〈知識の枠組み〉と南北戦争前アメリカ散文2016

    • 著者名/発表者名
      鷲津浩子
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      南雲堂

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公開日: 2017-01-06  

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