平成24年度に開始した「〈知識の枠組み〉と南北戦争前アメリカ散文――〈ライフ〉をめぐる知識史」は、いわゆる文学テクストをとりあげながら同時代の〈知識の枠組み〉を再現しようという試みであった。 研究期間における成果は三段階に分けてまとめられる。第一に死生観を中心にとりあげたもので、墓石と墓地形態の変化に現れた死生観、化学麻酔の発明と死生観、緑メガネと啓蒙思想を検討した。第二には、産業革命による環境変化としてアレクサンダー・フォン・フンボルトと同時代のアメリカ(ことにソロー)をとりあげた。さらには〈ライフ〉の法医学的解釈の問題へと発展し、セクシュアリティ、酒毒と狂気、毒薬学を考察した。
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