研究課題/領域番号 |
24520277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松下 千雅子 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (90273200)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ヘミングウェイ / キューバ |
研究概要 |
2002年、キューバのヘミングウェイ邸フィンカ・ビヒアの地下室に埋もれていたヘミングウェイの原稿、手紙、メモ、その他の書き物が発見され、世界中に大きな衝撃を与えたことは記憶に新しい。アメリカ合衆国とキューバとの合意のもとで資料の電子アーカイブ化が進められ、約3,000点の資料について、2009年ようやく研究者からのアクセスが可能になった。これまで謎が多かったキューバ時代のヘミングウェイにアプローチするための重要な手がかりとなることは必須である。本研究の目的は、これらの資料を調査し、植民地的政治闘争の最中にあった当時のキューバで人生の三分の一を過ごしたノーベル賞作家の政治的な側面を紐解き、彼の文学テクストに隠された政治性を、当時のアメリカ合衆国とキューバの関係の中で明らかにすることである。 2012年度の研究実施計画では、アメリカ合衆国での学会発表、ハバナでの資料調査、Miriam B. Mandel氏との研究打ち合わせを予定していた。そのうち、学会発表については、ミシガン州で2012年6月に開催された国際ヘミングウェイ学会で研究発表をし、Debra A. Moddelmog氏と意見交換をすることができた。ハバナでの資料調査は2013年3月に実施し、ヘミングウェイの蔵書リストを閲覧して、次の現地調査に向けた準備を整える事ができた。さらにヘミングウェイ博物館館長のAda Rosa氏にインタヴューを実施し、キューバ革命とヘミングウェイの関係についての概要を得る事ができた。また今後の研究協力を依頼して承諾を得た。Mandel氏との研究打ち合わせは未実施だが、2013年6月に実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではキューバでの資料調査が必須であるが、ヘミングウェイ博物館館長のAda Rosa氏にコンタクトを取る事ができ、2013年3月に現地調査を実施した。具体的にはヘミングウェイの蔵書リストを閲覧して、次回の調査に向けた準備を整え、Rosa氏にインタヴューを実施して、キューバ革命とヘミングウェイの関係についての概要を得た。さらにRosa氏には今後の研究協力を依頼して承諾を得ることができたので、今後のキューバでの研究調査を軌道に乗せる事ができたといえる。Mandel氏との研究打ち合わせは未実施だが、2013年6月に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2013年6月にキューバで開催される国際ヘミングウェイ・コロキアムに参加し研究発表を行う。また同学会参加予定のMandel氏と、今後の研究についての意見交換を行う。 学会終了後、ヘミングウェイ博物館での資料調査と、現地でのインタビュー調査を行う予定である。帰国後は、ヘミングウェイの蔵書リストのうち、研究に関連する図書を購入し、文献調査を行う。 調査結果に基づき研究を進め、その成果を、2013年10月に開催予定のミシガン・ヘミングウェイ学会で発表することを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費として、2013年6月に国際ヘミングウェイ・コロキアムでの研究発表ならびにヘミングウェイ博物館で調査する為の旅費として名古屋―ハバナ間の渡航費、宿泊費が必要となる。キューバでは、通訳も必要である。さらに2013年10月にミシガン州で開催されるヘミングウェイ学会で研究発表を予定しているので、そのための渡航費、宿泊費も必要となる。 物品費は、キューバでの資料調査ならびにインタビュー調査に必要な機材の購入にあてる。また、調査結果に基づき、図書購入の必要が見込まれる。 人件費・謝金は、英語論文作成の際に必要なネイティヴチェックの費用にあてる。
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