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2013 年度 実施状況報告書

コンピュータによる『カンタベリー物語』諸写本とキャクストン版の計量的比較

研究課題

研究課題/領域番号 24520289
研究機関広島大学

研究代表者

地村 彰之  広島大学, 文学研究科, 教授 (00131409)

研究分担者 中尾 佳行  広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10136153)
川野 徳幸  広島大学, 平和科学研究センター, 教授 (30304463)
佐藤 健一  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (30284219)
キーワードチョーサー / 『カンタベリー物語』 / Hengwrt写本 / Ellesmere写本 / キャクストン版(初版) / キャクストン版(第2版) / Blake版とBenson版 / 計量的比較
研究概要

本研究の目的は、ジェフリー・チョーサーの写本と刊本の言語について、コンピュータを利用し、その英語の語彙・統語・文体を総合的に研究し、チョーサーの textual criticismに貢献することにある。
本研究では、キャクストン版『カンタベリー物語』[初版(c 1476)(Cx1)と第2版(c1482)(Cx2)]と他の写本やテクストとの間に生じた異同の問題を取り上げている。Hengwrt(ヘングウルト)写本とEllesmere(エルズミア)写本は『カンタベリー物語』のみの代表的写本であるが,キャクストン版『カンタベリー物語』は、最初の刊本として重要なものである。これは,地村(2005)で指摘したように、15 世紀後期に作成された印刷本であり、写本を写す時代には出来なかった英語の標準化の過程に大きく関わっただけでなく、キャクストン以後の諸刊本に影響を与えたものである。本研究は、今日までのテクストの伝達と継承の問題を考えるための基盤的研究である。
特に、今回は15世紀後期に出版されたキャクストン版[初版(Cx1)と第2版(Cx2)]のデータ入力をすすめてきた。『カンタベリー物語』の代表的写本と初期の印刷本と今日用いられている刊本とが容易に比較できるように、パソコン上でのテキスト処理をする方法において更に進んだ段階に達したといえる。つまり、Hengwrt写本、Ellesmere写本、Blake版、Benson版、キャクストン版(初版Cx1)、キャクストン版(第2版Cx2)を縦軸に並べて一目で共通点と相違点が把握できるデータが一部完成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は15世紀後期に出版されたキャクストン版[初版(Cx1)と第2版(Cx2)]のデータ入力をすすめた。『カンタベリー物語』の代表的写本と初期の印刷本と今日用いられている刊本とが容易に比較できるように、パソコン上でのテキスト処理をする方法において更に進んだ段階に達したといえる。つまり、Hengwrt写本、Ellesmere写本、Blake版、Benson版、キャクストン版(初版Cx1)、キャクストン版(第2版Cx2)を縦軸に並べて一目で共通点と相違点が把握できるデータが一部完成した。

今後の研究の推進方策

新しく研究分担者として佐藤健一氏に加わってもらい、各テキストを2次元上で分析(Cmdscale)したり、各テキストの距離をクラスター分析(hclust)する統計解析のノウハウを提供してもらうこととなった。言語統計解析の専門家が加入されたことによって、本研究課題を推進しやすくなった。中尾佳行氏、川野徳幸氏とともに、総合的に本研究を進めて行き、2014年7月にはNew Chaucer Societyという世界的規模の学会で口頭発表することが決まったので、その準備を進めている。

次年度の研究費の使用計画

最終年度(平成26年度)に総括をするために、データの確認と研究資料の収集と整理及び国際学会での発表に予算を必要としている。
平成26年度に2回海外に出張を予定している。7月18日にNew Chaucer Society Congressに(University of Iceland)おいて口頭発表する。9月にUniversity of OxfordとBritish Libraryで最終的な資料収集をする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Some Notes on Idiomatic Expressions in the History of English: With Special Reference to 'meat and drink'2014

    • 著者名/発表者名
      Akiyuki Jimura
    • 雑誌名

      Studies in Middle and Modern English: Historical Change (Studies in the History of the English Language, 4)

      巻: 4 ページ: 115-132

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chaucer's Imaginative and Metaphorical Description of Nature2013

    • 著者名/発表者名
      Akiyuki Jimura
    • 雑誌名

      Chaucer's Language: Cognitive Perspective (Studies in the History of the English Language, 2013-B)

      巻: 3 ページ: 27-45

    • 査読あり
  • [図書] Studies in Middle and Modern English: Historical Change2014

    • 著者名/発表者名
      Eds. Yoko Iyeiri and Jennifer Smith
    • 総ページ数
      156
    • 出版者
      Osaka Books Ltd
  • [図書] Language and Style in English Literature2014

    • 著者名/発表者名
      Eds. Ken Nakagawa, Akiyuki Jimura & Osamu
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      Peter Lang
  • [図書] Chaucer's Language: Cognitive Perspectives2013

    • 著者名/発表者名
      Eds. Yoshiyuki Nakao and Yoko Iyeiri
    • 総ページ数
      151
    • 出版者
      Osaka Books Ltd

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公開日: 2015-05-28  

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