本研究の成果として以下の三点がある。(1)ラジオドラマに描かれる、ウェールズやアイルランドなどのイギリスの境界に位置する国々が、新たに打ち建てられるEnglishnessに収まらない差異を表していることが判明した。(2)モダニズムのエリート主義にとって大衆は忌むべき問題であったが、ラジオが大衆に語りかける新しい言語を模索する手段として、ラジオドラマがあったことが分かった。(3)第一次世界大戦が多くの戦争詩を生んだが、第二次世界大戦に詩的表現を与えた作家は少ない。それに対して、BBCラジオは、戦争にたいする、より複雑な感情を代弁するメディアになったことが分かった。
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