冷戦期アメリカ文学のヨーロッパにおける受容を調査し、その研究の目的を達成するために最終年度はヘミングウェイを主要な研究対象とした。まずは2014年6月にヴェニスで開催された国際アーネスト・ヘミングウェイ協会に参加し、研究発表を行うとともに、そこでアメリカのヘミングウェイ研究者からさまざまな示唆を受けた。また2014年10月には福岡女子大学(福岡市)で開催された日本英文学会九州支部第67回大会においてシンポジウムに登壇し、これまでの研究成果を公表した。ここでも参加者から多くのコメントをもらうことができ、研究成果をまとめる上で非常に有益であった。2014年12月には関西学院大学(西宮市)日本アメリカ文学会関西支部第58回大会においてシンポジウムに登壇し、ヨーロッパを舞台にしたヘミングウェイ作品に関して研究成果を発表した。 上記のように最終年度はヘミングウェイを中心にしていたが、前年度までの研究内容との兼ね合いもあり、2014年5月にはかでる2・7 北海道立道民活動センター(札幌市)で開催された日本ナサニエル・ホーソーン協会にてワークショップの司会・講師を担当し、ここでも前年までの研究成果を発表する機会を得ることができた。2015年3月には京都大学(京都市)で開催された日本F・スコット・フィッツジェラルド協会においてワーク・イン・プログレスという形でヘミングウェイと最も深い関わりのある作家フィッツジェラルドについて研究発表を行った。これは本研究課題のまとめであるとともに、次の研究課題につながりうる発表であった。 また、これらの学会発表と平行して、これまでの3年間の研究成果の総まとめとして、2015年3月に単著『アーネスト・ヘミングウェイ、神との対話』を出版した。
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