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2012 年度 実施状況報告書

タゴールの英語文学の全体的把握を通じたインド英語文学像の見直し

研究課題

研究課題/領域番号 24520299
研究種目

基盤研究(C)

研究機関都留文科大学

研究代表者

大平 栄子  都留文科大学, 文学部, 教授 (20160616)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際研究者交流、インド
研究概要

基礎資料の収集については、1.スコットランド、タゴールセンター主催の国際学会において、イギリスにおける最新のタゴール関連資料を収集した。2.シャンティニケタンにあるタゴール国際大学にて、R. タゴール関連の資料を収集した。3.ヴィシュバ・バーラティ日本学院(現在は日本語学科)を視察し、タゴールの設立理念がどう生かされているかについて学科所属の教授陣に聞き取りを行った。[分析と考察]については、1.タゴール国際大学において2013年1月開催予定のタゴール国際学会について、主催者(および招聘者)である、歴史学教授のC. Chatterjee教授と打ち合わせを行った。2.カルカッタ大学名誉教授のKumar Dasgupta教授、および、タゴールの教育観に影響を与えた日本の大学(タゴールの日本訪問時の講演先)について研究しているAnjoy Kumar Das準教授(タゴール国際大学日本語学科)と意見交換をした。3.スリ・ベンカトリワラ大学東南アジア・太平洋研究センター主催の日印関係国際学会に参加(招聘)し、タゴールと宮澤賢治の自己実現についての思想の比較研究成果を発表した。4.スコットランド・タゴールセンター主催のタゴール国際学会に参加(招聘)し、タゴールと宮澤賢治の宇宙的共生についての思想・哲学・世界観を比較研究し、その成果を発表した。また、タゴール研究の第一人者である、Chinmoy Guha教授、Uma Dasgupta教授、作家のWilliam Radice氏と意見交換をした。5.ハワイ国際人文学会に参加し、タゴールの日本における受容についての研究を発表した。6.インド英語文学をリードする女性作家Githa Hariharanの小説 について、身体論の立場から分析し、カナダの国際誌Arielに投稿した論文が採用された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の目的は、ラビンドラナート・タゴール文学の全体像とその文学史的位置の解明である。今年度は、当初の予定に従い以下の研究成果を達成することができた。 (1)インド英語文学の体系的把握と世界文学への位置づけを試みてきたこれまでの研究成果を踏まえ、日本にも断片的に存在する、タゴールの英語作品を網羅的に収集して、リストを作成した。(2)タゴールが親交を結んだ岡倉天心や、同じ時代を生きた宮沢賢治との思想的共通点を探ることによって、アジアの視座から21世紀初期の世界思潮にメスを入れる可能性について考察し、国際学会、および、国際研究誌において発表した。以上、初年度において目的としていた点についておおよそ達成することができた。

今後の研究の推進方策

基礎資料の収集については、(1)前年度に引き続き、現在までに出版されているタゴールの英語文学テクストおよび、英訳された文学テクストを網羅的に収集し分析を加えることによって、タゴールの英語文学の全体像を把握することを目指す。(2)ポストコロニアル批評も含めた、関連の研究文献を広く収集する。(3)タゴール生誕150周年記念セミナー・学会に出席し、争点となったタゴールの英語文学史上の位置づけについて、タゴール研究者および英語文学研究者たちと意見交換する。(4)インドではデリー、コルカタを中心とした地域と、タゴールが設立した国際大学のあるシャンティニケトンで資料調査と研究打ち合わせを行う。(5)岡倉天心・宮沢賢治などとの影響関係を視野に入れながら、日本におけるタゴール受容の実態を明らかにする。さらに、この課題に関連する研究を行っているインド・バングラディシュの研究協力者と、共同研究に関する打ち合わせを行うとともに、インドにおいて現地の研究者とミニシンポジウムを開催する。 [分析と考察]については以下の予定である。(1)タゴール研究に関する最新の研究を検討し、新たな視点がみられないか確認する。(2)このテーマのテクストが、インド英語文学史全体の中に占めるおおよその位置を確定する。(3)日本におけるタゴール英語文学の受容と研究動向、という視点を導入することによって、複合 的な視点からインドとアジアにおける英語文学の意義を捉え直す。(4)前項の考察を踏まえ、既存の研究を批判的に検証しながら、方法論としての本研究の錬磨をめざす。また、本年度までの研究成果を国内学会・国際学会において発表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

現在までに出版されているタゴールの英語文学テクスト、およびタゴール研究書を網羅的に収集・購入するための費用を見込んでいる。
インド、およびバングラデシュにおいて調査、および研究者との打ち合わせ、さらに、国際学会での成果発表のために、調査費用、研究打ち合わせ費用、学会出張費を見込んでいる。
以上の資料をホームページ上に公表するための人件費、および、英語論文のネイティヴ・チェック代を見込んでいる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Tagore and Japanese Writers2013

    • 著者名/発表者名
      Eiko Ohira
    • 雑誌名

      Hawaii Inaternational Conference on Arts and Humanities Proceedings

      巻: 11 ページ: 1534-1550

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Thousand Faceds of Nights: A Counter-Narrative of Bleeding Womanhood2012

    • 著者名/発表者名
      Eiko Ohira
    • 雑誌名

      Ariel

      巻: 42.3 ページ: 265-278

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rabindranth Tagore and Miyazawa Kenji : A Vision of Self2012

    • 著者名/発表者名
      Eiko Ohira
    • 雑誌名

      International Conference on India-Japan Relations Prodeedings

      巻: 1 ページ: 41-47

    • 査読あり
  • [学会発表] Tagore and Japanese Poets

    • 著者名/発表者名
      Eiko Ohira
    • 学会等名
      Internationa Conference on Tagore in Scotland
    • 発表場所
      Napier University
    • 招待講演
  • [学会発表] Tagore and Japanese Writer

    • 著者名/発表者名
      Eiko Ohra
    • 学会等名
      International Conference on Arts and Humanities
    • 発表場所
      Hawaii , HIlton HOtel
  • [学会発表] Rabindranath Tagore and Miyazawa Kenji

    • 著者名/発表者名
      Eiko OHira
    • 学会等名
      International Conference onIndia-Japan Relations
    • 発表場所
      Sri Venkateswara University
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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