研究課題/領域番号 |
24520299
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
大平 栄子 都留文科大学, 文学部, 教授 (20160616)
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キーワード | タゴール / インド英語文学 |
研究概要 |
[基礎資料の収集]1インド文学アカデミーおよび、インド文化評議会図書館、インド国際センターにてタゴール関連の資料を収集した。2.前年度に引き続き、現在までに出版されているタゴールの英語文学テクストおよび、英訳された文学テクストを網羅的に収集し分析を加えた。3,タゴール生誕150周年記念セミナー・学会において、争点となったタゴールの英語文学上の位置づけについて、タゴールおよび英語文学研究者たちと意見交換した。4.ネルー大学主催の国際賢治学会に出席し、賢治とタゴールの関係についてインドの研究者と意見交換をした。5.インド文化評議会主催のタゴール国際学会(2011年10月)担当者であったヴィネイ・ボホラ教授、および出版部の担当者と、タゴール研究書出版についての打ち合わせを行った。6.タゴール国際大学に客員教授として招聘された折、大学主催の国際セミナーにおいて発表する予定のタゴールについての研究論文(タゴールの女性の表象)について、タゴール研究者たちと意見交換した。 [共同研究]1.共同研究者である、デリー大学英文学科教授(デリー大学研究担当理事)のマラシュリ・ラル氏と、英語文学研究書出版の最終打ち合わせを行い、さらに、タゴール研究について意見交換をした。 [成果の公開]1,本年度までの研究成果、タゴールと賢治の関係についての研究発表(”Rabindranath Tagore and Miyazawakenji: Toward a Larger Self”)を国際ハワイ人文学会にて行った。2.英文学科50周年記念論文集に分離独立文学についての論文(”About Daddy: An Epiphany of Love”)が掲載された。3.『インド英語文学研究―印パ分離独立文学と女性』(彩流社)の最終校正を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
タゴール研究に関する最新の研究を検討し、新たな視点として、タゴールの革新性に着目する視点がみられたことを確認することができた。同時に、ジェンダー視点からの研究、および仏教観についての研究においては、タゴールの革新性が具体的に十分分析されていないことも確認できた。さらに、タゴールの英語文学が、インド英語文学史に占めるべき重要な位置づけが十分になされていないことを確認した。日本におけるタゴール英語文学の受容(宮澤賢治と岡倉天心)と研究動向について検討し、複合的な視点からタゴール研究についての意義と課題を捉え直した。
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今後の研究の推進方策 |
女性観、および仏教観について、タゴールの革新性を具体的に分析した上で、インド英語文学に占めるタゴール文学の重要性についての位置づけを行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
学年末に、インド、カルカッタのマハ―ボデイ協会において資料収集のための出張をする予定であったが、山梨における予想外の積雪のために断念せざるを得なかったために、旅費として見込んでいたものが未使用として残ったためである。 タゴール大学主催のセミナーに参加するためのシャンティ二ケタンへの出張旅費、および、カルカッタ、およびデリーにおけるフィールドワーク、研究者との打ち合わせのための旅費、国際学会での発表のための費用をみこんでいる。また、最新の出版物の購入、および、英文論文のネイティブチェック代として支出を予定している。
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