研究課題/領域番号 |
24520300
|
研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
千森 幹子 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (20236821)
|
キーワード | 国際情報交換 / 比較研究 / カルチュラル・スタディーズ / ポストコロニアル / 図像 / 表象 / オリエント |
研究概要 |
本研究は、ポストコロニアル的観点から、1860年代から1920年代にいたる英版文学図像におけるオリエント表象を、政治社会文化美術的背景から、西洋と日本(東洋)の交差として、考察する学際研究であり、カルチュラルスタディである。本研究では、ケーススタディとして取り上げた文学作品図像に見るオリエント表象を、中東・中国・日本イメージの混在・分化・変容の過程から考察し、この時期、英国(欧州)が、なぜオリエントに魅惑され、何を受容表象しようとしたのか、その現実との乖離を、政治(植民地政策等)文化、美術、社会、ジェンダーなど多領域から検証し、西洋的価値体系におけるオリエント表象の位相を解明することを、目的とする。 本年度の実施研究としては、主に次の4点が挙げられる。―1.海外調査:英国ケンブリッジ大学図書館と米国プリンストン大学において、19世紀から20世紀半ばまでの英米仏独版『フェアリー・テール』や『アンデルセン童話』など、妖精や幻想的な物語などに関する調査、複写収集。その他、従来の研究で未調査のオリエント表象的特徴のある英版挿絵作品の収集、調査、複写、特定。英米欧の幻想的な挿絵や書物の収集・研究調査 2.イギリスの連携研究者であるイースト・アングリア大学クライブ・スコット教授との共同研究と討議 3.平成25年度に収集した画像資料のデジタル化 4.成果発表―日本イギリス児童文学会研究大会「シンポジュウム―fairy・妖精・フェアリーの狭間から、受容を考える」発表など。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究とは異なる学会発表や執筆依頼・出版予定の拙著のゲラ校正のため。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は、上記の理由で予定よりやや遅れている。特に、成果発表の本数が少ない。平成26年度は、三年間の研究期間の最終年度に当たるために現地での調査研究を(英国・フランス・アメリカ)に広げる予定である。従来の英国での調査研究(夏期と春期)に加え、アメリカのプリンストン大学図書館、フランスのパリ大学などでの調査(夏季)を予定している。従来の英国の図書館で入手できなかった英仏版資料が平成25年度のアメリカ、プリンストン大学での調査で、かなり得ることができ、さらなる資料の調査研究が必要であったことが分った。また、学会発表や論文の執筆などの成果発表にも力を入れる予定である。
|