研究課題/領域番号 |
24520304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
箭川 修 東北学院大学, 文学部, 教授 (20210213)
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研究分担者 |
梶 理和子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (60299790)
吉原 ゆかり 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (70249621)
川田 潤 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70323186)
荒木 正純 白百合女子大学, 文学部, 教授 (80015883)
吉田 直希 小樽商科大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90261396)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 蒐集文化 / 出版文化 / 長い18世紀 |
研究概要 |
本研究は、「長い18世紀」における出版文化と蒐集文化が交錯する状況を、学際的視座から考察することを目的としている。この時期、出版文化の隆盛にともない、国内外を問わず、あらゆる情報を渉猟・蒐集し、書籍の形で世界を再創造しようとする欲望が顕在化したが、それは世界全体の再創造の場合もあれば、限定された分野での世界再創造、あるいは、新世界の創造の場合もあった。本研究では、この二つの文化の交わりを考察する。 H24年度は、以下の3点から研究を実施した。 1.本研究に関する理論的整備と資料蒐集計画:各研究者がこの出版文化と蒐集文化について理論的検討を開始し、必要な資料についての整理を開始した。具体的には、17世紀の文学とその周辺に関する出版文化(詩の出版、アンソロジーなど)、文学以外の蒐集文化等(キャビネット・オブ・キュリオシティなど)について、それぞれの接点を考察している。 2.1.の成果確認の研究会の開催,資料蒐集およびその整理: 今年度は主にメールでの情報交換によって行い、問題意識の共通化などを図り、出版という形の蒐集文化、蒐集というかたちの出版文化に関して、一定の共通理解に達した(共通資料の収集の面では、必要なものが多岐にわたるため、当初計画より遅れている)。 3.成果の確認のための研究会の開催、次年度の課題確認:3月に研究会を開催し、各自の発表と質疑応答を行い、理論的基盤の整理および各話題の共通点などについての認識を共有した。外部講師の招聘にいたらなかった点が若干計画より遅れているが、しかしながら、その点も踏まえ、H25年度の課題等について、整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように、計画全体としては、各研究者の研究の進展および研究会開催による議論などを経て、「長い18世紀」における出版文化と蒐集文化が交錯する状況を、学際的視座から考察するという目的を達成できている。 遅れているのは、多岐に亘る資料について、限られた予算範囲での選定作業と購入、実際の配架という点と、外部講師招聘による、よりいっそうの学際的視座からの研究の深化であるが、来年度にそれを補う計画を立てており、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度については、具体的には、以下の3点から行う予定である。 1.理論的深化および資料蒐集:(1)H24年度の成果に基づき、各自で理論的深化および資料に基づく発表の準備(2)研究を進めるにあたり不足する資料についてピックアップ (3)理論的基盤に関するメールでの議論と今後の方向性の再検討補足資料の選定(4)出版文化・蒐集文化に関連する書籍の配置 2.上記の成果確認の研究会の開催、資料蒐集およびその整理 (1)研究会の開催および討議 (2)研究会で、今後の理論的検討の課題および夏期休暇中の資料蒐集の選択を確認 (3)夏期休暇などを利用して、国内外で電子資料等のデータ蒐集 (4)大学院生等を活用し、蒐集した資料の整理を行い、データの共有化 3.成果の確認のための研究会の開催、次年度の課題確認 (1)研究目的に関する研究会などでの発表の準備を行う (2)理論面に関する意見交換をメール等を通じて行う (3)(1)の成果について、研究会を開催(外部講師も招聘し、意見を聴取)(4)研究会の議論に基づき、理論的課題および資料の不足等、次年度の課題を整理 H26年は以上の成果に基づいた予備総括および研究会の開催および国内外での成果発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
主な使用計画は、資料の購入 60万円(主に研究拠点である東北学院大学に配架)、国内外での資料収集(旅費)60万円、研究会旅費20万円(年に2回程度開催)、研究補助、謝礼等20万円(資料の整理等)である。
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