アンジェラ・カーターの小説に表れるジェンダー・パフォーマティビティが、彼女の二年間の日本滞在の影響を強く受けたものであることを、アーカイブ研究、手記の出版、比較文学的な研究から明らかにすることができた。カーター研究において、彼女の日本滞在中の出来事や日本の文学、演劇作品の影響などはあまり研究されていない分野であった。本研究はその空白を埋めるものである。特に、カーターの同棲相手であった荒木氏のメモワールを英訳して出版したことは、本国イギリスでも大きな注目を浴び、BBC2から取材を受けた。本書の出版、ならびに英語での学会発表や論文発表を通して、カーターの日本研究者として国際研究の場に貢献した。
|