この研究は19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカ社会で奴隷制という過去と向き合い、人種・ジェンダー差別と戦ったアフリカ系アメリカ人(黒人)女性の政治的言説をフェミニズムの中で位置づけるものである。この時期の黒人女性指導者のうち、主にメアリ・チャーチ・テレル、アイダ・B・ウェルズ=バーネット、アンナ・ジュリア・クーパー、フランシス・E・W・ハーパーと彼女らの著作、講演を扱った。各地で組織された女性クラブでは、黒人女性による本格的な政治運動には至らなかったが、高等教育の恩恵に預かったこれらの黒人女性は積極的に政治的メッセージを発し、黒人女性の政治・社会意識改革に貢献した。
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