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2012 年度 実施状況報告書

日記・手記・作品に見る動乱の西部―カンザスの女性たち

研究課題

研究課題/領域番号 24520309
研究種目

基盤研究(C)

研究機関順天堂大学

研究代表者

黛 道子  順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30331391)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアメリカ西部 / 19世紀 / 日記・手記 / 女性
研究概要

平成24年度は研究予定作品としていたHannah RopesのSix Months in Kansasを始めとしてSarah Robinson, Kansas: Its Interior and Exterior Life、Miriam Davis Colt, Went to Kansas: Being a Thrilling Account of an Ill-fated Expeditionなど、南北戦争直前のKansasに暮らした女性の手紙や手記を読むことを中心とした。RopesやColtの手紙や手記には当時の旅や開拓地の生活の困難さ、Sisterhoodとも言うべき協力、困難を超えたことによる自分への信頼などを読み取ることができた。また、Robinsonの手記には"Bleeding Kansas"と呼ばれた当時の暴力と混乱に満ちた時代が女性の眼から感情を込めて描かれ、奴隷制反対へ強い情熱が読み取れた。
19世紀の西部の歴史や当時の女性の状況へのを理解を深めるために西部史、生活史、女性参政権運動、女性の教育、職業などに関する文献も収集し、少しずつ読み進めた。そこから、西部では女性参政権運動が東部よりも肯定的に受け入れられたことに着目し、西部社会での女性の地位も考察した。また、女性参政権運動の活動家のMatilda Joslyn Gageを義母に持ち、その支援をしたL.Frank Baumや彼の作品The Wonderful Wizard of Ozにも興味を持った。Baumが書いた14冊のOz Booksにはそれまでの童話にはなかったような新しい女性が描かれていて興味深い。現在、Oz Booksをテーマに論文を執筆中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は夏に1週間(SIADHというナトリウム代謝異常の検査入院)、春に2週間の入院(下垂体腫瘍の手術のため)などのため、必ずしも十分な研究ができなかった。
可能なかぎり、文献も読んでいったが、読み残したものがあり、当初、想定していたほどは進められなかった。現在は、健康状態が良好なので、昨年度をカバーするよう進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

今後は以下のように研究を進める。
1.25年度も文献の収集を続け、資料を読んで、基礎となる知識を蓄え、研究対象作品への理解を深める。
2.夏期に資料収集のため、Kansas州に出張する。出張予定先としてはUniversity of Kansas, Kenneth Spencer Research Library及びKansas Historical Societyを考えている。文献、コピー資料、写真など、できる限り多くの資料を集める予定である。可能であれば、現地の地方史の研究者と面談して最新の情報や研究動向を尋ねたい。
3.帰国後、それらの資料を整理・記録する。
4.国内の学会に出席し、情報を収集し、研究への示唆を得る。また、これまでの研究結果を踏まえ、学会支部で発表する。
5.26年度にLydia Maria ChildやHannah Ropesの作品を読み、日記・手記などとの関連を考察する。また、収集した文献や資料を生かし、研究結果を論文にまとめる。

次年度の研究費の使用計画

以下の計画にしたがい、使用する予定である。合計1282(千円)
設備備品費(当初、24年度に計上していたもの) 200 内訳:ノート型コンピューター(1台×200)
消耗品費 250 内訳:研究図書 20冊×5、文献調査費 30点×5
国内旅費 176 内訳:国内学会(旅費2回×70、宿泊費2×1泊×12、日当2×2日×3)
外国旅費 616 内訳:航空運賃 450、現地交通費 70、宿泊費6泊×12、日当8日×3)
人件費・謝金 40 内訳:文献資料整理アルバイト 40時間×1

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公開日: 2014-07-24  

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