研究課題/領域番号 |
24520309
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
黛 道子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30331391)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 西部開拓 / 19世紀アメリカ / 奴隷制反対運動 / 日記・手記 / 南北戦争 |
研究実績の概要 |
これまでに読んだHanah RopesのSix Months is Kasasには、Ropesのabolitionistとしての側面と次第に政治に関心を深めていく姿を読み取ることができたが、26年度はRopesの小説、Cranston Houseを読み、Ropesの思想と生き方が小説にどのように表されているかを読み取った。また、同時代のSarah Robinson, Kansas: Its Interior and Exterior Lifeを読み、南北戦争直前のKansasの人々が経験した混乱した時代状況とその中に見える日常の確かさをとらえることができた。現在、「Bleeding Kansasの時代を生きた女性たち」(仮題)というテーマで論文を構想している。 平成25年度にKansas州での調査時に新たにその重要性を認識したClarina H. Nicholsに関する文献もわずかながら入手できた。Nicholsは女性の財産権を認めるなど、当時としては先進的なWyandotte憲法の制定に力を尽くした人物で、この時代のKansasを知り、当時の女性の生き方を考える上でぜひ研究に加えたい考え、現在、文献を読み始めている。 論文の執筆に加え、今年度はいずれかの学会で発表する計画を立てている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(理由) 知識の幅を広げ、研究をさらに掘り下げるために、幅広く文献を収集してきた。中心となる南北戦争直前のカンザス州に生きた女性たちの文献(Hanah Ropes, Sarah Robinson, Miriam Davis Colt)については、80%程度、読み進めたところである。 しかし、当時の時代状況については、まだ調査が不十分で、現在、手元にある文献の中から必要な情報を集めている。同時にこれからも文献や情報を集める必要を感じている。今年度、10月にWestern Literature Associationの学会に参加し、また、Library of Congressで調査を行う計画なので、それらを通じ、不足した情報が補える見込みである。 また、研究の過程で、当初、計画にはなかったClarina Nicholsを研究する必要を感じ、現在、手に入った書籍を読み進めている。以上の理由により、計画より遅れてはいるが、研究の推進に最大限の努力をするつもりである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は以下のように進める。 1.収集した文献をさらに読み進め、文献の整理を継続する。(特にClarina Nichols関連の文献を重点的に読む) 2.夏休みを目処に構想中の論文を8割程度まとめ、10月中旬にワシントンのThe Library of Congressに調査に行き、資料を補強する。 3.補強した資料も必要に応じ、取り入れて論文を完成させ、学会誌に投稿する。 4.いずれかの学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費については購入書籍やプリンターなどの清算ができていないことが主な原因である。人件費については日程の調整ができず、入力依頼ができなかったことが原因である。また、科研費による国内出張を計画していたが、急遽、予定が変わり、中止した。 今後、迅速に進めるよう努力する。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度、計画したまま遂行できなかったことに、順次、着手する。図書費として23万円、資料検索用のタブレット(i-Pad)購入に8万円を見込んでいる。 旅費については国内学会に3回参加(うち1回は学会発表)の予定で20万円を使用予定である。資料を補強するため、The Library of Congress(ワシントン)での調査を計画しており、約40万円と見積もっている。 以上で総額約91万円を使用する予定である。
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