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2015 年度 実績報告書

英米文学におけるトランス・アトランティックなエンブレムの受容と変容

研究課題

研究課題/領域番号 24520311
研究機関成城大学

研究代表者

松田 美作子  成城大学, 文芸学部, 准教授 (10407611)

研究分担者 佐藤 光重  成城大学, 文芸学部, 准教授 (60367266)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードエンブレム / 英米の視覚文化
研究実績の概要

2015年度、資料収集では、松田はグラスゴー大学を訪れ、近代初期のエンブレムブックの調査を行った。そして、Francis Quarlesなどのエンブレムが、スターリングのホーリー・ルード教会墓地やカーロスの領主館にある17世紀の墓石彫刻に描かれていることを現地にて調査した。これらのエンブレムの応用表現は、当時のスコットランドに、大陸の視覚文化が伝わっていることを示しており、帰国後の資料収集の過程で、17世紀のニューイングランドの墓石彫刻にも、エンブレム的表現が取り入れられていることがわかった。
今後、さらに調査の範囲を広げ、墓石彫刻の題材であるエンブレムが、大西洋の両岸のプロテスタント文学に、どのような影響を与えたかを解明するための足掛かりができたと考えている。また、その過程でエンブレムが近代日本にも伝播したことを明らかにし、グラスゴー大学のセミナーで発表した。
佐藤は、日本ソロー学会50周年特別号『命の泉を求めて』(松島欣哉編集)に、ソローとアラビア系アメリカ人アーティストとの接点を扱った記事が掲載された(「芸術家のデモンストレーション」)。資料収集では、ソロー関連の資料収集を中心として、関連するアメリカ文学作家として、20世紀の作家John MuirやWendell Berryに関する資料も収集した。ソローとエンブレムに関しては、『コンコードとメリマック川の一週間』に数か所、クォールズのエンブレム・ブックからの引用がなされていることがわかっているが、これがどの版に基づいているのか特定するには至らなかった。
今後は、エンブレムという用語の用例をほかの作家から見つけだし、データをさらに補強することができれば、当時の意味合いが17世紀ピューリタン文学におけるエンブレムの扱いからどのような変遷をたどったのか、考察することもできるのではなかろうか。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 芸術家のデモンストレーション2015

    • 著者名/発表者名
      佐藤光重
    • 雑誌名

      命の泉を求めて(日本ソロー学会50周年特別号)

      巻: 50 ページ: 42-43

    • 査読あり
  • [学会発表] The Reception of Zinnebeeld in the Intelectual History of 18th-century Japan2016

    • 著者名/発表者名
      松田美作子
    • 学会等名
      University of Glasgow Stirling Maxwell Centre Seminar
    • 発表場所
      University of Glasgow Stirling Maxwell Centre
    • 年月日
      2016-03-17 – 2016-03-17
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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