17世紀英国におけるエンブレムの隆盛は、主にフランシス・クォールズの『エンブレム集』の人気による。しかし、その影響がどのように初期アメリカ文学や文化に及んでいるかは、これまで十分に研究されてこなかった。そのため、本研究では英国におけるクォールズを中心とするエンブレムの受容と、ピューリタンによってニューイングランドに伝えられたそれらを比較検討することで、エンブレム文学の変容を考察した。その結果、クォールズのエンブレムのいくつかは、Bay Psalm Booksに取り入れられて、ピューリタンの信仰に関わっていたこと、また、ソローのような作家にも言及されていたことが明らかとなった。
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