研究課題/領域番号 |
24520315
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 アヤ子 明治学院大学, 経済学部, 教授 (70139468)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Margaret Atwood / The Year of the Flood / MaddAddam / カナダ文学 / 新ディストピア小説 / 思弁小説 / 『負債と報いー豊かさの影』 / エコロジカル宗教 |
研究実績の概要 |
【研究発表】1.第24回日本アメリカ文学会 北海道支部大会(2014年6月28日)の「英語系カナダ文学とアメリカ」のシンポジウムにパネラーとして参加。「カナダらしさを描く―アメリカの影響からの脱却―アメリカの隣に暮らすことは、象の隣に寝ているようなもの―」と題して発表。カナダ文学批評のカノンとも言えるSurvival: A Thematic Guide to Canadian Literature(1972)でAtwoodのが示したカナディアン・アイデンティティ「サバイバル」のテーマが、アトウッドの最近作〈MaddAddam〉の三部作でも踏襲されていることを論証。 2.Environmental Studies Association of Canada(August 7-10, 2014)主催の「a round table on Margaret Atwood’s Maddaddam trilogy for the 2014 ALECC conference」にパネラーとして参加。現在翻訳中の「『The Year of the Flood』と『Maddaddam』 」について発表。 3.日本アメリカ文学会第53回全国大会(2014年10月5日)のシンポジウム「カナダらしさを描く―アメリカの影響からの脱却」にパネラーとして参加。上記1と同様の発表を行った。 【論文】「カナダらしさを求めて」を『北海道アメリカ文学』に執筆(2015年秋に刊行予定) 【翻訳】マーガレット・アトウッド著『洪水の年』(2015年9月出版予定 岩波書店)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績概要の研究発表1,2はいずれも招待発表であり、長年カナダ文学研究に研鑽を積んできた実績の表れではないかと思われる。また、カナダ文学、Margaret Atwoodへの関心が日本でも徐々に高まってきた表れともいえよう。そのような状況の中で発表ができたことは意義深いと思われる。 さらに、「『MaddAddam』の三部作が意図すること」と題して現在論文を執筆中で、Atwoodが10年近くかけて執筆した三部作全体を通しての論文は意義深い。まだ、日本では皆無である。 また、『The Year of the Flood』と『MaddAddam』を翻訳出版できることは達成感を一層増してくれる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き内外のAtwood研究者と意見交換及び専門知識の提供を受けながら、本研究の集大成として、「『MaddAddam』の三部作が意図すること」の論文執筆の終了と、『The Year of the Flood』(現在校正中)と『MaddAddam』の翻訳の完成を行う。 なお、論文は『カナダ文学紀要』に投稿予定。翻訳書は岩波書店より刊行予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での資料収集ができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
海外での資料収集を行う。
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