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2014 年度 実施状況報告書

アジア系アメリカ文学にみる日本植民地主義批判ー暴力、ジェンダー、人種

研究課題

研究課題/領域番号 24520323
研究機関岐阜聖徳学園大学

研究代表者

河原崎 やす子  岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (80341808)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワードアジア系アメリカ文学 / 日本植民地主義 / ポストコロニアリズム / 米国帝国主義 / ジェンダー / 暴力 / 慰安婦問題
研究実績の概要

本研究は、アジア系アメリカ文学に帝国日本の占領統治がどのように表象されているかを分析するものである。2015年には太平洋戦争終結70周年の節目を迎え、きわめて政治的な動きがことに中国韓国にみられる中で、研究3年目はこの中国韓国からの移民文学に集中した研究を行い、以下のまとめと成果を得た。
・中国系文学における日本軍の占領時の被害および抵抗を記した作品を収集し、分析を始めた。かなり数が多いために現在も継続中である。
・韓国系文学における日本軍の占領時の被害および抵抗を記した作品を収集し、焦点を定めて分析を論文に著した。
・最大の問題である慰安婦問題については、中国系と韓国系に加えてフィリピン系、インドネシア系、チャモロ系など広範囲の作品を包括した論の展開が必要であると考え、現在これを進行中である。
・米国、ロサンゼルスにおいて中国系や韓国系に関する新聞記事やエスニックコミュニティと同メディアの動向を調査すべく現地に赴き、一定の成果を得た。政治的には、日本が加害国として中韓に対してすべきことをしていないという世論が形成されつつあり、慰安婦像はその象徴となっている。日本を擁護する声はかすかにあるが、政治的にも文学においても非難の声ははるかに大きい。今後は、この慰安婦問題を中心とした文学系譜作成に取りかかる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の遅れを引きずり、いまだに全体の進行は遅れ気味である。
今のところ文献調査は順調だが、全体を俯瞰してまとめる時間の不足は否めない。

今後の研究の推進方策

今後、国際的な政治駆け引きも注視しつつ、幅広く日本植民地主義のもたらした慰安婦問題や戦時強制労働問題という事項に移民文学という面からアプローチする。これは中国、韓国中心とはなるが、東南アジアや太平洋諸島に視点を広げて考えるべき問題であり、引き続き新たな文献の発掘収集と整理、現地調査に取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

アメリカでの学会出席を予定していたが、校務のために行かれず、また文献収集も十分にできなかったためこの結果となった。

次年度使用額の使用計画

本年度は資料収集を集中的に行うとともに、より計画的効率的に目的に沿う研究を計画している。それに係る物品の購入費のほか、インタビュー調査や資料収集のための国内外調査に必要な旅費等が必要となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 戦争文学として読むチャンネ・リーの『降伏せしもの』-「飢え」と「降伏」から見えるもの2015

    • 著者名/発表者名
      河原崎やす子
    • 雑誌名

      岐阜聖徳学園大学外国語学部紀要

      巻: 第54集 ページ: 29,38

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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