本研究はアジア系アメリカ文学に帝国日本の占領統治がどのように表象されているかを作品の収集および分析で明らかにすることを目的とした。近年アジア系文学テクストには日米双方の戦争や植民を描くものが数多く出現し、帝国日本の植民地主義への批判的表象が目立つ。まず多くのテクストを収集しその分析を通して、関連文学作品の一覧を作成し包括的な考察を試みた。さらになぜアジア系作家がアメリカ経由で日本植民地主義批判をするのかを日米両国の植民地主義の位置づけとその受容の相関と相違を絡めて分析した。新たな知見として、日本批判を間接的客観的に行う新世代作家の傾向を検証した。
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