本研究は後期中世に普及した「キリストの生涯と受難の黙想」という信仰の形が文化の進化・発展にもたらした影響を写本文献を精査することを通して考察した。その成果は国内および国際学会での研究発表、当該分野の他の研究者との共著、学術雑誌への論文投稿によって随時発信してきたが、最終的成果はピープス図書館版『キリストの受難の黙想』の校訂本である。校訂本準備の作業は、本文決定、注解、語彙録作成および序論の執筆から成る。その全てが3年間の研究期間のみならず、研究代表者及び研究分担者の先行する研究期間の関連研究における研究を集約しているということができる。
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