研究課題/領域番号 |
24520330
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
秋元 孝文 甲南大学, 文学部, 教授 (70330404)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アメリカ文学 / 貨幣 / Jack London / Etgar Keret |
研究実績の概要 |
年度初めにJack London "The Assassination Bureau, Ltd."論を書き上げ『英文学研究』に投稿。残念ながら結果は不採用であったが、再度考察を深めての発表を準備中。 7月には日本の作家福永信氏の公開講演会を本務校で開催し、職業としての作家業から対価を得る営みについて意見を交換する。前掲のJack London論とも共通する主題である。 9月にはカリフォルニア州PasadenaのHuntignton LibraryでJack Londonの草稿を調査。前掲作品の未完の原稿のほか、残されたメモなどを収集。改稿のための材料とする予定。 10月にはシカゴ大学で開催されたイスラエル作家Etgar Keretについての学会で"Etgar Keret, Haruki Murakami and World Literature: the Possibility of Translation"と題した口頭発表をした。現代の世界文学のあり方として、翻訳を通して多くの国で読まれる作家として両者を比較。本課題の次の各論であるJoseph Heller論に繋がる作家としても重要な、同じユダヤ系の作家Keretについて考察し、海外の研究者と意見を交わせたことは大きな収穫であった。 現在はNative Americanが描かれた紙幣についての次の各論をまとめるべく、Pocahontas神話についてリサーチをしている最中であり、本論は9月までに書き上げる予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
春に投稿した学会論文が採用とならなかったために未発表なのはある意味遅れであるが、再度検討して発表の予定であり、単年度で見れば遅れでも研究計画全体を通して見ればより考察を深めるチャンスであると考える。また、直接的には本計画の各論につながらなくとも、日本の作家福永信氏との意見交換や、イスラエルの作家Etgar Keretについての研究や本人との交流は、本課題の今後の広がりのためにも必ずや糧となるものだと考える。
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今後の研究の推進方策 |
まずは現在考察中のネイティヴ・アメリカン紙幣とポカホンタス神話論を9月までに書き上げ、同時にLondon論の改稿を進める。次にJoseph Heller論をまとめ、本課題はおおむね完了となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
残高が少額であり、次の出費の物品、旅費などの高額な出費で消化できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
物品、旅費の一部として使用予定。
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