研究課題/領域番号 |
24520330
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
秋元 孝文 甲南大学, 文学部, 教授 (70330404)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Pocahontas / John Chapman / Running Antelope |
研究実績の概要 |
Pocahontasの受洗を描いたJohn Chapmanの絵画を載せたFederal Reserve Noteとネイティブ・アメリカンRunning Antelopeを載せた紙幣の関連から、インディアンとアメリカ紙幣というアイデアを着想。アメリカ紙幣においてはたとえば南北戦争時に南部で発行されたConfederate Noteや、それ以前のFree Bank Eraに各州の銀行が自由に紙幣を発行した時代には、インディアンのモチーフは決して珍しくないのだが、国の紙幣となったFederal Reserve成立以後の紙幣には極めて珍しい。Chapmanの描いた「ポカホンタスの洗礼」はアメリカの歴史を振り返る紙幣の裏面のシリーズのひとコマとして採用されているだけでなく、もともとはWashington D.C. のU.S.Capitolのrotundaに飾られた、アメリカ史の重要場面を描く一連の絵画の一枚として描かれたものである。Robert Tiltonの研究にもあるように、ChapmanがポカホンタスのJohn Smithに対する有名な「救出」ではなく「洗礼」の場面を選んだことの意味は様々な解釈ができる。またインディアンの肖像を表面に掲げた唯一の紙幣で描かれるのはRunning Antelopeだが、彼はデザインの都合上他の部族の髪飾りを身につけさせられている。標本として白人社会の都合のいいように書き換えられる他者としてのインディアンである。 この二枚の紙幣を元に「インディアンとアメリカ紙幣」という論文を着想、夏にD.C.のCapitolでChapmanの絵画についてのリサーチを行った。今年度中に一本の論文としてまとめ、完成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内での業務が増えて研究に割ける時間・労力が減少した。
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今後の研究の推進方策 |
並行して継続中のJack Londonに関する論文をまずはまとめ、次に上記の「インディアンと紙幣」論をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
個人的事由によりアメリカワシントンD.C.でのリサーチを短い期間で切り上げたこと、海外での研究発表を目標としていたが、秋以降国内での発表機会が増えて海外で発表できなかったこと、コンピュータ機器の入れ替えをするタイミングがなかったことなどが理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
国内での学会出張、調査、コンピュータ機器の入れ替え、資料購入費に使用の予定。
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