研究実績の概要 |
Jack Londonの死後に残された原稿を元にまとめられ作者の死後に出版されたThe Assassination Bureau. Ltd.(1963)という暗殺を扱う小説について、作品のプロットがロンドン自身の発送によるものではなく、のちにアメリカ初のノーベル文学賞を受賞することになるSinclair LewisからLondonが「買った」ものであり、さらには完成されないまま途切れていた原稿をまとめ上げたのがミステリー作家のRobert L. Fishで、この作品では複数の人間によって「作者」が作られていながらも、逆説的にそれこそが「企業」のようであったJack Londonという作者のあり方を体現していることを指摘する「Jack London Co., Ltd. The Assassination Bureau, Ltd. における作者と資本主義」を『甲南大学紀要 文学編168』に発表。これまでリサーチを重ねてきたJack Londonについての研究を一編の論文としてまとめ、発表するに至った。
また、これまで書きためてきたアメリカ文学と紙幣の関係に関する9本の各論を一冊の単著にまとめるべく出版社と協議をし、また甲南大学内の伊藤忠兵衛出版助成に応募し補助金を獲得した。結果として、2018年秋に彩流社より、アメリカ紙幣とアメリカ小説の関係を考察する一冊の研究書として出版する予定となった。
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