『ヴェル・サクルム』と『パン』の創刊号に見られるinternationalとnationalという相反する二面性からは、芸術誌が当時の社会の産業化と密接につながっていたことが明らかとなった。また、『ヴェル・サクルム』のさらなる分析からは、他の雑誌にはない機関誌としての機能も明らかになった。『ユーゲント』については、編集者のゲオルク・ヒルトのコンセプトの考察や『ユーゲント』に見られる女性像やジャポニスムなどの分析を通し、大衆誌的な特色が強いと言われている『ユーゲント』も、当時の最新の芸術の流れを反映していることが検証された。
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