研究課題
基盤研究(C)
本研究は、新約聖書に含まれている擬似パウロ書簡(コロサイ、エフェソ、第二テサロニケ、第一テモテ、第二テモテ、テトス各書簡)を対象とするもので、偽名書簡がもつ文学史的背景を考察すると共に、これらの偽作書簡が、パウロが亡くなった後の時代に、パウロ自身が書いた書簡の内容の「正しい理解」を示し、異なるパウロ理解を退ける目的で記されたものであることを示すものである。これらの書簡の存在は、パウロ思想に対する理解が、パウロ後の時代において一様ではなく、さまざまな受容の仕方があったことを証言している。
新約聖書学