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2012 年度 実施状況報告書

亡命ロシア文化におけるテクストと視覚芸術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520367
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

小椋 彩  東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (10438997)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードロシア文学 / ロシア・モダニズム / 視覚芸術
研究概要

4月、ロシア亡命者を中心にアメリカで創刊された雑誌『ニュー・ジャーナル(ノーヴィ・ジュルナール)』の創刊70周年記念学会(Russian Emigration at the Crossroads of the XX-XXI Centuries)にて口頭発表を行った(於コロンビア大学)。発表はアレクセイ・レーミゾフの日本受容に、ロシア人の日本学者セルゲイ・エリセーエフが深く関与していたことを示すもので、レーミゾフも含めたロシア・モダニズムの日本への移入に重要な役割を果たしたとされるロシア研究者・翻訳家の昇曙夢に対する一面的な評価に異議を唱え、従来看過されてきたレーミゾフの日本受容における複数の問題の解明に寄与するものとして高く評価された。この報告を7月に英文で出版したほか、加筆・訂正したものを2013年3月に日本語で出版した。
また、東大大学院人文社会系研究科次世代プログラムからの奨学金と組み合わせて、8月、9月の二ヶ月間、ロシアのサンクト・ペテルブルグに滞在し、資料収集および研究者との情報交流に励んだ。ロシア文学研究所、ロシア国立図書館、演劇博物館の各手稿部にて、レーミゾフの手紙、イラスト、コラージュ、文学作品草稿等のコピーを入手した。現在、これらの資料を分析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

夏季期間にロシアに渡航し資料収集を行ったが、ロシア文学研究所手稿部での資料閲覧に際し、事務的な問題が生じ、予想していた量の資料を閲覧できなかった。また、コピーに関しても厳しく制限された。これは研究所が近々、レーミゾフの手稿の出版を検討しているためだが、実際に現地に行くまで、このことは明らかにはならなかった。ただし、他のアーカイヴ、とくにロシア国立図書館に保管された資料の収集はおおむね満足のいくものになり、現在、これらの分析を鋭意進めている。

今後の研究の推進方策

5月半ば、フランスからモスクワの文学図書館に寄贈された手稿の閲覧・調査のため、ロシアに渡航する。夏季、コロンビア大学図書館が所蔵する資料を中心に、おもにアメリカで調査を実施する。8月、北大図書館亡命文学コレクション調査を実施する。昨年度収集した資料と合わせて分析を行い、10月、日本ロシア文学会(東京)で結果を報告する。また論文として発表する。

次年度の研究費の使用計画

引き続き資料収集のための渡航費用、資料の複製代として研究費を使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 作家の戯画――『クークハ』と日本におけるレーミゾフ受容2013

    • 著者名/発表者名
      小椋彩
    • 雑誌名

      SLAVISTIKA

      巻: XXVIII ページ: 45-63

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Reception of Russian Modernism in Japan: A. M. Remizov and S. G. Eliseev2012

    • 著者名/発表者名
      Hikaru Ogura
    • 雑誌名

      Russian Emigration at the Crossroads of the XX-XXI Centuries.

      巻: 1 ページ: 14-19

  • [学会発表] The Reception of Russian Modernism in Japan: A. M. Remizov and S. G. Eliseev

    • 著者名/発表者名
      Hikaru Ogura
    • 学会等名
      International Conference dedicated to the 70th anniversary of the New Review / Novyi Zhurnal
    • 発表場所
      Columbia University (NY, USA)

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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