20世紀は科学の時代ではなく「科学神話」の時代である。本研究ではこうした科学情報の神話構造を問題設定の基盤として「原子力エネルギー表象」が誕生・発生・普及・浸透・再生産する社会的表象構造を暴きだすことを目指した。その際原子力エネルギー表象と市民社会の日常生活に浸透した科学表象の直接的関係については単著『白物家電の神話』によって、情報処理機械と人間精神の関係については単著『OL誕生物語』によって、各種機械仕掛け表象とモダンライフの関係については連載『モノ進化論』によって、それぞれ原子力エネルギー表象が発信する直接的・間接的科学神話の構造を分析した。
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