リベルタン文学の重要な作品であるサドの『閨房哲学』を翻訳し、人文書院から出版した。拙訳では、フランス国立図書館所蔵の初版本Enfer 535・536を底本とし、プレイヤッド版などを参照しながら、必要と思われる箇所に注を付けた。また、「訳者解説」で本研究の目的であるリベルタン文学とは何か、リベルタン文学の典型である本書はどのような思想やリベルタン文学の影響を受けているのか、またその後どのような影響を与えたのかを明らかにした。 2015年2月26‐28日にジュネーヴ大学で開催された国際学会「サドの言語」に招待され、この翻訳をもとに『閨房哲学』の翻訳の難しさ、サドの作品の文学的意義について発表した。
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