研究課題/領域番号 |
24520387
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
齊藤 大紀 富山大学, 人文学部, 准教授 (70361938)
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研究分担者 |
高橋 俊 高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (10380297)
中野 徹 近畿大学, 文芸学部, 講師 (20610512)
杉村 安幾子 金沢大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50334793)
中野 知洋 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70372638)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 中国現代文学 / 青島 |
研究概要 |
平成24年度は、青島の歴史・文化について基礎的知識の共有を目指し、青島における実地調査および日本における青島関連資料の収集、資料調査、資料の紹介・講読、研究報告を主な活動内容とした。 1. 青島での共同資料調査:共同研究者計5名により、青島市での実地学術調査を行った。これにより青島にかつて居住した沈従文、老舎、康有為、梁実秋らの資料館および旧居を訪問し、1930年代の青島における文化的公共圏の存在の可能性を確認した。それとあわせて魯海氏の青島歴史関連の著作や『老舎与青島』などの資料の収集を行った。また青島に現存する沈従文『辺城』の主要登場人物である翠翠のモデル居住地を訪問し、作品世界への理解を深めることができた。2.研究報告会・資料調査会を12月8日に大阪にて開催の予定であったが、当日、悪天候のため、参集がならず、発表予定のレジュメを交換することにより、青島の歴史および文化についての共通認識を深めた。当日の資料紹介は、山本一生『青島の近代学校:教員ネットワークの連続と断絶』(皎星社、2012年)、韓嘉川等著『文化青島』(中国社会出版社,2002年)、青嶋守備軍民政署編『新刊青嶋要覧』(新極東社出版部、1921年)、泉對信之助著『青島二年』(東海堂書店、1922年)、浅田進史『ドイツ統治下の青島─経済的自由主義と植民地社会秩序』(東京大学出版会、2011)、前田七郎、小島平八編『青島せいとう案内─附山東各地事情』(日華社、1933)などであり、多角的な視点から青島という都市への理解を深めることができた。3.研究者各自が青島関連基礎資料の収集をおこなった。 また本プロジェクト参加研究者がメンバーである中国モダニズム研究会による『野草』(中国文芸研究会)特集号において、本プロジェクトメンバー全員がモダニズムについての研究成果を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度においては、8月に青島を実地調査し、かつての青島の文化的公共圏の跡を確認し、日本では入手困難な資料を数多く入手することができ、研究の初歩的な目的を達成することができた。しかし、その資料収集の結果に基づき、12月8日に近畿大学において研究例会の開催が企画され、各自準備を行ったが、当日強風のため、参集することができず、レジュメの交換を行うにとどまった。 また本プロジェクト参加研究者がメンバーである中国モダニズム研究会による『野草』(中国文芸研究会)特集号において、本プロジェクトメンバー全員がモダニズムについての研究成果を公表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、前年度に引き続き、日本における青島関連資料の収集、資料調査、資料の紹介・講読、研究報告を主な活動内容とし、さらに本プロジェクト・メンバー以外に対しても研究成果の報告を行うことを目指す。1.海外(青島・北京・上海)での資料調査:共同研究者計5名により、青島大学図書館・青島市档案館での学術調査を行う。また必要に応じて中国国家図書館・上海図書館等に赴き、一次資料の調査・収集を行う。2. 研究報告会・資料調査会を、年2回、金沢・大阪(予定)で開催:共同研究と研究報告:共同研究者による研究成果の報告を行う。また金沢大学においては、独逸租借期青島旧蔵書籍の調査を行う。3. 対外的な発信のための、研究会における口頭発表:日本における中国近現代文学研究者の最大の集まりである、中国文芸研究会例会において、対外的な発信のため口頭発表を行う。4.日本国内における青島関連基礎資料の収集:『人文青島叢書』『青島歴史建築』などの資料を収集する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、以下の通り使用される予定である。1.現地における実地調査旅費に使用される。その際には、青島のみならず、上海や北京における青島関連の資料の収集もめざされることになる。2.大阪その他において開催される研究例会のための旅費、3.日本国内における青島関連資料の収集費用。
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