研究課題
基盤研究(C)
子規は地域の熱心な師や親しい仲間、また多数の古典に囲まれて、進取の気象をもって漢詩を学習したことで、鑑賞と創作の豊富な経験を蓄積していった。その詩学的蘊蓄や手法は、後に中国詩を進歩史観から捉えることとも連係して、近代日本にふさわしい短詩形文学を目指そうとする視点へと発展し、積極的に俳句や短歌とコラボする創作活動となっていった。それは東アジア的詩歌圏の視野を持つ近代文学の黎明を告げるものだったといえよう。
中国文学 日本漢文