モンゴル時代の文献に於いて、アラビア文字やローマ字で音訳されたテュルク語・モンゴル語・中国語、漢字音訳されたテュルク語・モンゴル語・ペルシア語は皆、政治・軍事・文化の東西交流を実証する重要な語彙・概念である。徹底した重商主義を採用し、史上最大の版図を得た大元大蒙古国の皇帝クビライは、何につけ全世界で通用する新たな統一基準を定め、現地の旧来基準との換算表も作成せねばならなかった。度量衡の統一のため官製の機器を頒布、金と銀の両替率を1:10に固定し、税制の整備、出納簿の記入法や各種文書の定型化、多言語辞書の編纂も進めた。これらの事業は、フレグ・ウルスの歴代カンとの友好関係によって支えられていた。
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