本研究課題は、宋金元期の華北において造営された墳墓の発掘調査記録を基礎に置き、そこに同時期同地域で造営された神廟についての記録、祭祀演劇に関わる文学資料、家族や祭祀に関わる法制資料等を重ねることによって、宋金元期の華北において祖霊がいかに祭られ、その祭祀がいかなる宗廟観念の反映であるのかを明らかにしようとしたものである。 宋代から元代にかけては、いわゆる宗廟が次第に形成されていった時代であったが、本研究課題は、その時期の華北においては、宗廟が神廟を範とし、神廟の制度とともに整備され、充実していったことを明らかにした。
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