研究課題/領域番号 |
24520397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤元 優子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (40152590)
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研究分担者 |
ABEDISHAL KAMYAR 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 特任准教授 (30573018)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / イラン / 現代文学 / ジェンダー |
研究概要 |
1.先行研究の整理と分析枠組み、対象作品の検討:平成24年7月14日に、藤元(研究代表者)とアーベディー(研究分担者)、および番匠未来(研究協力者)が東京に赴き、他の研究協力者と準備会合を開いた。まず、研究代表者が、基本文献となるJalal Khaleqi Motlaqの「ペルシア文学におけるエロティシズム」について、また石井啓一郎(研究協力者)が欧米のエロティシズム研究文献についての発表を行った。その後、研究メンバーが各自の研究テーマについて確認し合い、今後の予定について相談した。なお、マルヤム・コハンサール東京外国語大学特定外国語主任教員と徳原靖浩大学共同利用機関法人人間文化研究機構研究員が加わって、研究協力者は計8名となった。 2.イランでの資料収集:藤元とアーベディーが、平成24年8月から9月にかけてイランに出張した。藤元は、イスラーム大百科事典編纂所図書館と国会図書館で、主に雑誌資料を収集したほか、多くの研究者や作家に面会して、意見交換を行った。アーベディーは、国会図書館、テヘラン大学中央図書館等の図書館に通って資料収集を行ったほか、研究者との意見交換、研究対象に関する雑誌記事の編集、資料の補完などの作業に当たった。 3.恋愛、性愛、性的欲望などエロティシズムに関連する表象の抽出:研究メンバーは、準備会合で決定したテーマに基づき、対象作品を読みこんで、エロティシズム関連の表象抽出を個別に開始した。その成果は、後記の藤元、アーベディーの論文のほか、平成25年3月30,31日に大阪大学で開催されたイラン研究会での、鈴木珠里、中村菜穂、キンガ・マルクス・竹下、徳原靖浩(それぞれ研究協力者)による研究発表として実を結んだ。また、研究会後の科研メンバーのみの会合では、石井啓一郎が、欧米エロティシズム研究に関するさらなる考察も発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題参加者は、現代小説部門(4名)、現代詩部門(5名)のそれぞれで、各自の対象作品に関する研究を始めており、20世紀中葉のイラン現代文学におけるエロティシズムの多角的な検証が、論文や研究発表の形で着実に進んでいるから。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究対象の時代の文化的、社会的背景、およびジェンダー状況の確認には、既存の文献資料以外に、平成24年度に入手した雑誌資料を活用し、分析を行う。 2.国外での資料収集を引き続き行い、新たな資料を発掘する。また、20世紀中葉の文学状況を知る知識人にも積極的にインタビューしていく。 3.研究メンバーには、平成25年度末に開催予定のイラン研究会での積極的な発表、大学紀要等への投稿を勧めて、研究への前向きの取り組みを促す。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度に予定していたパソコンの更新が不要になり、物品費に余裕がでたが、代わりに年度末に研究協力者6名の国内出張を行った結果、研究費に若干の未使用額が生じた。25年度には、これを用いてパソコン周辺機器の更新を行う予定である。
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