研究課題/領域番号 |
24520397
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤元 優子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (40152590)
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研究分担者 |
ABEDISHAL KAMYAR 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 特任准教授 (30573018)
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キーワード | イラン / 文学 / 20世紀 / ジェンダー / 国際研究者交流 |
研究概要 |
1.恋愛、性愛、性的欲望などエロティシズムに関連する表象抽出の続行:研究メンバーは、各自の研究対象についての表象抽出を進めた。その成果の一部は、後述のアーベディー(研究分担者)の論文や、マルヤム・コハンサール、中村菜穂(共に研究協力者)の研究発表の形で発表された。 2.同時代の文化的、社会的背景およびジェンダー状況の確認:20世紀中葉のイランの出版事情を知るため、当時の女性誌、大衆向け雑誌、およびペルシア語研究書を購入し、分析を開始した。歴史小説を含めた同時代の文学作品も、できるだけ収集している。 3.国内研究協力者との意見交換と、小説と詩のジャンルによる差異の分析:平成25年11月2日に、東京外国語大学において研究メンバー全員が参加する研究会を開催して、アーベディーが「近代化期のペルシア語詩におけるエロティシズム」、コハンサールが「千夜一夜から『第千夜一夜』に至るシャハルザード」と題した研究発表を行い、出席者が意見を交換した。また、平成26年3月29、30日に大東文化大学で開催されたイラン研究会においても、中村菜穂が詩人ナーデルプールに関する研究発表を行った。それに引き続く3月31日は、現代詩部門の研究者4名が集まって、詩に特化した研究会を開き、活発な議論を行った。 4.外国人研究者との意見交換:平成25年9月に、藤元(研究代表者)とアーベディーがイランに出張した。両者は、イスラーム大百科事典編纂所、テヘラン大学、エスファハーン大学、ペルシア語・ペルシア文学アカデミー等を訪れて、資料収集、関係者へのインタビュー、資料収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の参加者は、現在、現代詩部門(4名)、小説部門(5名)、演劇部門(1名)と当初よりメンバーを増やし、各自の研究対象に関する研究をそれぞれ進めるだけでなく、研究会でも活発に発表を行い、互いに刺激し合って、「イラン現代文学におけるエロティシズム」というテーマを多角的に解析しようとできているから。
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今後の研究の推進方策 |
1.本年度も予算の許す範囲でイランへの出張を行い、研究者との意見交換と資料収集を行う。 2.平成26年度は最終年度に当たるため、年度前半に研究メンバーによる研究会を1回開催する。そして11月に外国から2名の研究者を招聘し、研究を総括するワークショップを開催する。 3.上記のワークショップの記録も含めた論文集を纏めて研究成果の一つとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
パソコン周辺機器を購入予定であったが、他予算で購入済みのものを利用するなど、できる限り無駄を省いて予算を使用したため、若干の余剰金が生じた。 研究予算の余剰分は、研究会やワークショップでの出張費に利用する。
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