研究最終年度にあたり、共同研究の総まとめを行った。詳細は以下の通りである。 1.2014年8月1日に大阪大学東京オフィスにて研究会を開催し、研究分担者および研究協力者5名と共に、現代詩についてのディスカッションを行った。また、各自の研究進捗状況の確認と、秋のワークショップと年度末の研究成果発表についての話し合いを行った。 2.研究分担者のアーベディーシャール、カームヤールは、2014年8月から9月にかけてイランに出張し、国会図書館とテヘラン大学図書館で資料収集を行った。また、現代イランと日本の文学的比較研究に関する図書について、研究打合せを行った。研究代表者の藤元優子もイランへ出張予定であったが、病気療養のため断念した。 3.2014年11月に、ハーレギー・モトラグ、ジャラール教授(ハンブルグ大学)とミーラーニー、ファルザーネ教授(ヴァージニア大学)を招聘して、2日間のワークショップを開催した。古典文学から現代文学、演劇までの広範な作品を対象に、7本の研究発表がペルシア語と英語で行われた。 4.2015年3月には、研究成果を大阪大学大学院言語文化研究科言語社会専攻(専攻語・ペルシア語)の紀要『イラン研究』第11号の特集とした。掲載された論文6点、研究ノート2点のうちには、研究協力者によるペルシア語論文(中村菜穂「ミールザーデ・エシュギー「マルヤム三幕劇」における〈恋する乙女〉の現れ」)や英語による論文(キンガ・マルクス・竹下「サーデグ・チューバク作品における愛・死・欲望-『忍ぶ石』を中心に-」)と研究ノート(石井啓一郎「サーデグ・ヘダーヤト作中人物たちの性心理分析への試論-批評の基準としてのエロティシズム-」)が含まれ、他の3名のイラン人研究者のペルシア語論文と共に、本研究の成果を国際的にも発信する一助となった。
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