研究課題/領域番号 |
24520402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
大久保 明男 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (10341942)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流・中国 / 国際情報交換・中国 / 中国現代文学 / 演劇、映画、芸術 / 「満洲国」 / 東北淪陥区 / 新聞文芸欄 / 植民地文学 |
研究概要 |
本研究は、「満洲国」時期の文学と芸術諸分野(映画、演劇、音楽など)を研究対象とし、その全体的な状況や基礎的な事実について、まず総体的に把握することに努め、さらに両者の関連性について総合的に解明することを目指しています。 全体構想として、文学と芸術諸分野に関係する執政者側の政策や方針、法律や条例、また組織や団体、諸活動などの基礎的な事実を、先行研究や文献調査などにより明らかにするとともに体系的にまとめ、「満洲国」における文学と芸術の関係性、および両者のはたした役割について総合的に考察しようとするものです。 本年度は日中両国の図書館や資料館、公文書館、研究機関などを訪ね、資料の調査・収集作業を中心に進めてきました。具体的に調査訪問した機関や調査対象は次のとおりです。 1)中国側:中国国家図書館、全国図書館文献縮微中心(マイクロフィルムセンター)、中央や東北各地の档案館(公文書館)、図書館など。これらの機関において、当時刊行された主な新聞、雑誌、書籍、官報、公文書などの一部を閲覧・複写・購入してきました。 2)日本国内:国会図書館、国際日本文化研究センター、外務省外交資料館、各大学の図書館など。これらの施設においても上記同様な作業を進めてきました。 このほかに所属する研究機関で閲覧可能な資料やすでに入手した資料について整理・分析の作業をおこない、目次の作成にも取りかかりはじめました。 これらの資料発掘調査や整理は本研究の全体にとって基礎的な作業であるが、同時に我が国の「外地」(旧植民地)における芸術史の研究にとってもきわめて重要な意義を持つものと考えられます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.調査対象となる新聞、雑誌、書籍、レコード、フィルムの量が膨大にある一方で、長期の国内外調査出張は授業のない夏休みや春休みにしかできないため、資料調査作業はやや遅れています。 2.昨年秋以来、中国各地で反日デモが起こり、その影響により予定していた中国での学会や調査をやむをえず中止しました。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引きつづき資料の調査収集作業をおこなうとともに、資料の整理や分析・考察の作業に取りかかっていきます。具体的に資料の解析を進めながら、新聞、雑誌、レコードなどの関連する記事や情報の目録をデーターベース化にし、作成中の資料集を完成させていきたいと思います。あわせて本研究課題に関連する論考の執筆作業や研究成果の公開にも取り組んでいきます。
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次年度の研究費の使用計画 |
やや遅れている資料調査作業を取り戻すために、さらに積極的に現地調査を進める一方で、インターネットや国内外の研究仲間のネットワークを駆使していきたいと思います。また、調査地域を台湾や韓国など中国の周辺にも広げ、これらの地域の研究者とも交流を深めていきます。 研究費の使途は、主に調査旅費や海外研究者の招聘旅費、目次入力作業に対する謝金、先行研究となる書籍や文献、調査資料などの購入費・複写費、および研究成果の公表に関わる学会参加費、会議費、印刷製本の費用などにあてる予定です。
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