研究課題/領域番号 |
24520409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京純心女子大学 |
研究代表者 |
大竹 聖美 東京純心女子大学, 現代文化学部, 教授 (60386795)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換・韓国 / 韓国 / 児童文学 / 植民地 / 近代 / 朝鮮 / 児童文化 |
研究概要 |
1.2012年5月、韓国・ソウルの(1)慶熙大学・韓国児童文学研究センター、(2)大韓民国国立中央図書館にて資料閲覧、文献複写、製本、資料整理を行った。主に、1900年代児童雑誌(『少年韓半島』『少年』)、1910年代児童雑誌(『赤いチョゴリ』『こども読本』『あたらしい星』)の書誌的事項を整理した。さらに、(3)高麗大学児童文学担当講師(張盛惟氏)との研究会(方定煥研究)、(4)韓国児童文学学会会長黄正鉉(ソウル教育大学校国語教育学科教授)及び韓国児童文学学会研究者との研究会(近代韓国児童文学について)の機会を持った。 2.2012年8月、アジア児童文学学会東京大会に参加。(1)研究発表「日本における東アジアの子どもの本の翻訳について」を発表。近代韓国児童文学の研究を元に、現代におけるアジアの子どもの本の出版文化およびその翻訳受容状況を分析した。また、大会に参加した韓国児童文学学会の研究者や作家たちと(2)「日韓児童文学交流」のセッションを行い、司会進行を務めながら相互交流と理解につとめた。(3)大会参加者の朝鮮大学助教金真美氏と、金日成総合大学の児童文学研究の概況について情報交換を行った。 3.2013年2月、韓国・ソウルの(1)慶熙大学・韓国児童文学研究センターにて資料閲覧、文献複写、製本、資料整理を行った。(おもに児童雑誌『オリニ』の研究)(2)韓国教員大学国語教育学科・申憲在教授と研究会、韓国児童文学学会会員研究者と研究会、慶熙大学・韓国児童文学研究センター責任研究員金容熙氏と情報交換を行った。(3)方定煥関連遺跡踏査(天道教教会、普成社跡地、オリニ大公園、忘憂里共同墓地)を行った。 *二度の渡韓研究は、現地の関連史跡踏査と韓国第一線の児童文学研究者との情報交換を可能とし大変有意義であった。研究の根拠となる文献収集同様の研究上の意義と重要性があることを実感した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1900年代韓国の児童雑誌(『少年韓半島』『少年』)、1910年代児童雑誌(『赤いチョゴリ』『こども読本』『あたらしい星』)の書誌的事項の整理と文献複写、資料の確認を実行できた。韓国・ソウルの慶熙大学・韓国児童文学研究センターでの文献利用と調査によって大きな成果を残せた。また、同研究センター責任研究員の金容熙氏による助言や研究協力が大きな助けとなった。高麗大学児童文学担当講師張盛惟氏も現在方定煥研究に打ち込んでいるため、彼女との研究会の場をもてたことは、情報の交換と意見交換は研究上の大変な刺激となったし、外国人研究者として一人では解決が難しい部分(歴史的背景に関する知識や解釈、その他関連情報等)に関しての大きな学びの場となった。 これらはすべて科研費の研究費補助によって渡韓研究することによって可能となったものなので、科研費交付によって達成されたものは非常に大きく、たいへん感謝している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究方法を踏襲しながら、児童雑誌研究と方定煥研究を段階的に進める。具体的には以下のとおりである。 1. 1920年代児童雑誌(『(オリニ・こども)』『新少年』『ヤングデイ』の書誌的事項を整理し、それぞれの特性を考察する。 2.方定煥に関しては、1920年代の雑誌研究と関連させながら、『オリニ』創刊をめぐる動きを検証する。 3.ソウルの慶熙大学・韓国児童文学研究センターでの文献利用と資料収集、同セミナー室を利用した韓国文学学会所属の研究者との情報交換、研究会、市内の関連施設踏査 4.日本児童文学学会での研究成果発表 5.東京純心女子大学紀要での研究成果発表
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度も、韓国での現地調査と韓国児童文学学会に所属する代表的な近代韓国児童文学研究者との情報交換、関連史跡の踏査を継続して行う。そのため、主な研究費の使用目的は、研究旅費、資料等複写製本費、郵送費、踏査・調査で使う文具消耗品、資料・書籍費である。また、日本児童文学学会大会(広島経済大学での開催予定)での研究発表も予定している。
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