研究課題/領域番号 |
24520409
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研究機関 | 東京純心女子大学 |
研究代表者 |
大竹 聖美 東京純心女子大学, 現代文化学部, 教授 (60386795)
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キーワード | 韓国 / 朝鮮 / 近代 / 児童文学 / 児童文化 / 植民地 / 国際情報交換 |
研究概要 |
(1)①8月12日、慶熙大学校中央図書館・韓国児童文学研究センター訪問、李在徹博士文庫調査、近代韓国児童文学稀覯本資料調査、韓国児童文学学会会長(キム・ヨンヒ氏)および研究者(ジョン・ソネ氏、ジャン・ソンユ氏)との研究会 ②8月16日、パジュ出版団訪問、パジュ児童文学資料室調査、ポリム出版社訪問、現代絵本作家(チェ・ヒャンラン氏)への取材 ③8月19日、現代韓国文学作家(ハ・ソンラン氏)との研究会 ④8月22日~23日現代韓国文学作家(オ・ジョンヒ氏)との文学踏査・研究会 ⑤8月26日、現代児童文学作家、童詩人(イ・サンギョ氏)、現代絵本作家(チェ・ヒャンラン氏)への取材 ⑥8月27日、韓国映画監督(クォン・ヒョ氏)への取材 ⑦8月28日、日本児童文学翻訳家・研究者(パク・ジョンジン氏)との研究会 ⑧8月28日、韓国文学翻訳院にて韓国児童文学研究会および翻訳セミナー (2)2014年3月23日~28日、近代韓国児童文学資料収集。慶熙大学校中央図書館・韓国児童文学研究センター、李在徹博士文庫にて1920年代児童雑誌『オリニ』『こども』『新少年』『ヤングデイ』の書誌的事項を調査。 (3)口頭発表、論文等:①「近代韓国児童文学――<困難な現実を克服する不屈の精神>と<分かち合い>」日本児童文学学会第52回研究大会、②「韓国語児童文学研究文献解題2008~2012」『児童文学研究』第46号、pp.57~69、③「方定煥研究―誕生から10歳まで・幼少期の生家と時代背景」『東京純心女子大学紀要』第18号、pp.53~59、④「韓国の児童書出版事情―グローバルな視野、分かち合う共感」『こどもの本』9月号、pp.10~11など。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
韓国の公的機関である韓国文学翻訳院による海外ネイティブ翻訳家招聘研修プログラムへの参加で、2013年8月1日~31日までの1か月に渡って韓国に滞在できた(滞在費、航空券は韓国文学翻訳院より支給された)。そのため、腰を据えて近代韓国児童文学の研究に取り組むことができた。近代韓国児童文学の研究を進めるうえで、現代の韓国文学・児童文学・絵本にかかわる現象や状況を知り、作家や研究者たちと交流が持てたことは大変有意義で、今後の研究の進展のためにも有益な視点を与えてくれた。 その成果は、口頭発表、論文として次のように発表された。①「近代韓国児童文学――<困難な現実を克服する不屈の精神>と<分かち合い>」日本児童文学学会第52回研究大会、広島経済大学②「韓国語児童文学研究文献解題2008~2012」、『児童文学研究』第46号、pp.57~69、(依頼論文)、③「方定煥研究―誕生から10歳まで・幼少期の生家と時代背景」『東京純心女子大学紀要』第18号、pp.53~59、(査読有)、④「韓国の児童書出版事情―グローバルな視野、分かち合う共感」、『こどもの本』9月号、pp.10~11、(依頼論文)、⑤「韓国絵本の魅力」高麗博物館、2013年11月23日、(招待講演) 韓国文学翻訳院での現代韓国文学作家との研究会を通して、近代児童文学研究への新たな視点を得ることができたことは、当初の計画以上に研究が進展した部分である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、韓国昌原市で開催される第12回アジア児童文学大会への参加(8月8日~12日)を予定している。今回の研究成果発表として、近代韓国の特に代表的童謡詩人イ・ウォンスとその詩「故郷の春」について発表する予定である。この大会は、韓国児童文学学会や韓国青少年文学学会に所属する韓国の代表的児童文学研究者のほか、中国・台湾の代表的児童文学研究者(中国:浙江師範大学児童文化研究院、台湾:台東大学児童文学研究所)も集まる国際的な研究大会である。東アジアの現在の児童文学研究の動向を把握し、自分の研究テーマである近代韓国児童文学研究を現代の動きと結びつけながら今後の研究を推進していきたい。
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