1.2014年5月16日~17日--①「第十二回アジア児童文学大会論文集」編集会議参加、資料調査、史跡踏査:普成専門学校跡地、開闢社跡地、方定煥生家跡地周辺、婚家跡地周辺、2.2014年8月--①8/8~12:第12回アジア児童文学大会(韓国・昌原市) 論文発表・参加、資料調査、史跡踏査等、3.2015年3月23日~26日--①童心文学研究所所長鄭善惠博士と研究会、②漢陽大学大学院にてBKコリア研究員池好順氏と研究会等 4.研究期間全体を通して実施した研究成果 近代韓国児童文学に関する実証的な歴史研究を広範に行い、主に資料収集、史跡踏査を行った。 近代韓国児童文化運動の中心人物であり、近代児童文学の開拓者である方定煥は、代々王宮に食材を納品する豪商の家門の出で、王宮の目の前に位置する立派な瓦屋根の屋敷を生家とする裕福な家庭に生まれた。しかし、王宮の没落と共に方定煥の家は廃業に追い込まれ、生活は困窮を極めたが、彼は愛国啓蒙運動、教育救国主義私立学校運動の代表的な私立学校の普成小学校、善隣商業学校に通った。その後朝鮮総督府土地調査局の書字生を経て、広く朝鮮社会にカリスマ的な影響力を持っていた天道教の指導者孫秉熙の三女と結婚する。方定煥の人生の転機となった結婚とその背後の人間関係を中心に考察すると、強力な信仰集団の人間関係と教理の影響力の大きさに気づく。既存の社会秩序が崩壊する時の人々の不安な心理の反映だろうか。近代韓国児童文学の本質を理解するには、その開拓者である方定煥の理解が不可欠で、方定煥を理解するには天道教とその思想の理解が不可欠である。
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