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2014 年度 実施状況報告書

言語外情報との関係から探る省略要素の復元メカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520414
研究機関北海道大学

研究代表者

奥 聡  北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (70224144)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードゼロ項 / 項削除 / 情報構造 / 非焦点化
研究実績の概要

当該年度の主な実績を以下の通り報告する。

・必要な資料収集(文献・論文)を引き続き行い、全国レベルの学会研究会に参加し、専門の研究者と情報交換、ディスカッションを精力的に行っている。

・項削除現象における情報構造の視点を取り入れた新しい分析を積極的に押し進めている、その中で「intrinsically focused element本来的に焦点解釈をになう要素」を明確に同定していく必要性が明らかになってきた。具体的には、「~だけ」「~さえ」などの取立て機能をになった項、疑問詞となっている項、そして一般にadjunctと呼ばれる副詞類・付加詞が、そのような要素の代表例であると考えられる。これらは、先行文脈から明らかな繰り返しの要素であったとしても、相変わらず焦点要素として振る舞い、結果として削除を受けにくいことが分かってきた。ただし、一般に付加詞と呼ばれる任意の文要素であっても、主語や目的語などの項と同様の振る舞いを示しやすいもの(時を表す句や場所を表す句)もあるので、その切り分けや明確な区別をするための統語上・情報構造上の条件を明確にしていく必要があることが、より一層明らかになってきた。口頭発表や学会研究会でのディスカッションにより、有効なfeedbackを受けることが出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

順調に情報収集、資料収集、分析を進め、口頭発表、Proceedingsで成果を公開している。また、専門家との情報交換、ディスカッションにより、これまでの成果の意義がより明確になると同時に、今後明らかにすべき課題が一層明確になってきたのが、大きな成果といえる。とくに、付加詞削除現象に関しては、この分野でも十分な研究が蓄積しておらず、データの整理や分析方法もまだ未開発の要素が多いことが明確になった。今後の方向性が具体化したことが、この一年の大きな進展といえる。

今後の研究の推進方策

上記の状況を踏まえ、情報構造上、削除が容易である項と容易でない付加詞との具体的な性質や削除条件の違いを明確にすることを特に目指す。今年度は本研究課題の最終年度になるので、出来るだけこの4年間の総まとめとしての成果発信と情報交換を積極的に行っていく。
今年度は、5月にイギリスのロンドン大学SOASでの情報集数、およびケンブリッジ大学での学会に参加し、専門家との意見交換をしてくる。特に、後者は言語の一致現象と削除現象の関係をさまざまな言語の視点から模索する学会で、東アジアの言語だけではない汎言語的な枠組みの中での本研究の位置づけや学界への貢献を確認する、よい機会となると考えている。

次年度使用額が生じた理由

32,595円繰越の理由は、予定していた資料整理のための事務用品が間に合っていたため。

次年度使用額の使用計画

今年度の事務用品に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 項削除と(非)焦点化効果2014

    • 著者名/発表者名
      奥 聡
    • 雑誌名

      86th General Meeting of the ELSJ, Proceedings

      巻: 86 ページ: 119-102

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「復習」:理論言語学研究の特徴と実践2014

    • 著者名/発表者名
      奥 聡
    • 雑誌名

      86th General Meeting of the ELSJ, Proceedings

      巻: 86 ページ: 131-132

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ゼロ代名詞、項削除、非焦点効果2014

    • 著者名/発表者名
      奥 聡
    • 学会等名
      日本英文学会第86回全国大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2014-05-14

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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