本研究はドイツ語の典型的イントネーション型を見出すことを試みた。20名のドイツ語母語話者に教科書のテクストを朗読させ、録音した。その中から5文を選びピッチ曲線を観察すると、多くが類似することが明らかとなった。類似するイントネーションを用いた話者数は、文(1)で13名、(2)の前部で10名(後部は2種類のイントネーションを用いた者が各5名)、(3)で14名、(4)で12名、(5)の前部で12名、中部で8名、後部で18名であった。すべての文の核部で下降アクセント、前核部で上昇アクセントが高頻度で生じた。日本人ドイツ語話者の文(1)では、12名中3名に類似するイントネーションが見られるにとどまった。
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