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2015 年度 実施状況報告書

コーパス日本語研究の高度化と基盤形成のための実践的総合研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520425
研究機関大阪大学

研究代表者

田野村 忠温  大阪大学, 文学研究科, 教授 (40207204)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード日本語学 / コーパス / 近代日中語彙交流
研究実績の概要

本研究は、コーパス(電子媒体の言語研究資料)を用いた日本語研究の新たな領域と手法を開拓し発展させることによりコーパス日本語研究の高度化を推進するとともに、コーパス関連ソフトウェアの開発・公開などを通じて学界におけるコーパス日本語研究の普及・実践に寄与することを目的とする。
本年度は、日本語コーパスに基づく各種の事例研究の可能性を追求するとともに、それを通じて獲得した大規模な言語資料からの情報抽出と分析の技術を用いて日本語と中国語における「科学」の語史の解明に取り組み、結果は論文『科学』の語史──漸次的・段階的変貌と普及の様相──」(『大阪大学大学院文学研究科紀要』第56巻、2016年3月31日)として発表した。また、日中両語の真珠湾を表す名称の語史、日中両語の「電視」の語史などの問題についても考察し、いずれもすでに結果は論文の形にまとめた。以上の研究は日本および中国におけるシンポジウムで発表し、未発表の論文については翌年度の発表を予定している。
また、各種のコーパス関連ソフトウェアの開発・公開にも継続的に取り組み、インターネット上に公開しているソフトウェアのうち日本語の任意のテキストから語句を検索してKWIC索引の形で出力する「KWIC」、『青空文庫』所収の作品を検索する「日本語用例検索」システムをメインテナンスし、新しいWindowsでの動作を検証したほか、中国の韻書『佩文韻府』ほかを検索するシステムを新たに作成・公開した。ソフトウェアKWICはダウンロード回数が多く、また、用例検索サイトは日々国内外から多数のアクセスがあり、日本語用例の調査に広く利用されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

達成度は目的の項目ごとに異なるが、中でも「科学」の語史の分析に関しては当初の見通しを大きく上回る収穫を得た。コーパス関連のソフトウェア・検索サイトに関しても継続的に広く利用されている。

今後の研究の推進方策

当初の計画に従って、コーパスに基づく日本語研究の高度化と学界への普及という課題に総合的、多角的な見地から取り組む。研究費も、当初の計画の通り、主に専門書籍、言語資料、パーソナルコンピュータおよび関連機器を購入するための物品費、および、国内外での研究成果発表のための旅費として使用する。

次年度使用額が生じた理由

本研究課題の補助事業期間中(特に2年目)に健康上の問題その他の想定外の事情が発生し、可能な研究活動が制約を受けた。

次年度使用額の使用計画

研究活動を制約する事情はほぼ解消したので、研究費は、当初の計画の通りに使用する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 「科学」の語史──漸次的・段階的変貌と普及の様相──2016

    • 著者名/発表者名
      田野村忠温
    • 雑誌名

      大阪大学大学院文学研究科紀要

      巻: 第56巻 ページ: 123~181

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中国語の外来名表記に関する覚書──地名Amsterdamの意訳をめぐる議論の検討ほか──2015

    • 著者名/発表者名
      田野村忠温
    • 雑誌名

      待兼山論叢

      巻: 第49号文化動態論篇 ページ: 9~34

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 「科学」の起源─中国起源説の検証─2016

    • 著者名/発表者名
      田野村忠温
    • 学会等名
      漢字文化圏近代語研究会2016年度国際シンポジウム「東アジア言語接触の研究」
    • 発表場所
      東華大学(上海)
    • 年月日
      2016-03-26
  • [学会発表] 「科学」の語史2016

    • 著者名/発表者名
      田野村忠温
    • 学会等名
      関西大学東西学術研究所2015年度第10回研究例会
    • 発表場所
      関西大学東西学術研究所
    • 年月日
      2016-01-23
  • [学会発表] 意訳地名“牛津”、“剣橋”的発生与消長─近代中日語言中詞匯交流的一面─2015

    • 著者名/発表者名
      田野村忠温
    • 学会等名
      武漢大学史学博士論壇「新史料与新史学」
    • 発表場所
      武漢大学
    • 年月日
      2015-07-09
    • 招待講演
  • [備考] 田野村忠温

    • URL

      http://www.let.osaka-u.ac.jp/~tanomura/

  • [備考] 日本語用例検索

    • URL

      http://www.let.osaka-u.ac.jp/~tanomura/kwic/aozora/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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