研究課題
本研究課題の「項の具現化と構文形式に関する総合的研究」は平成25年度が研究の2年目にあたり、特に、図書など研究基盤をさらに整えることに力点を置き、理論的考察をすすめるためのネットワークづくりや前年度で得られた成果をさらに発展させるための研究を進めた。具体的には以下のように計画を進行させている。まず、前年度に引き続き、構文交替現象を的確に記述できる理論開発のために、文献の調査などにより既存の理論的な枠組みの問題点を検証し、整理した上で、理論的に必要な道具立てはなにかという検討を行った。さらに、日本語および英語を中心に基本となるデータの収集と整理を行い、いくつかの構文の比較対照を行った。学会や研究会等において、成果の一部となるものを発表した。本年度は,特に,主に等位接続をもちいた構文の検討をおこない、主語やその他の項の構造位置、また、主要部野市関係などの考察をおこなった。スイス,アメリカ合衆国およびスペインに出張し、それぞれ学会あるいは大学が主催したワークショップ等で研究発表を行った。それ以外にも,ドイツのフランクフルト大学、フランスのパリ大学を訪問し,関係する研究課題について研究する他の研究者との意見交換および研究発表を行うこともできた。国内においては,日本英語学会のワークショップにおいて動詞の名詞化についての発表,その他、国立国語研究所においても研究発表を行った。以上のように、今年度も、着実な研究の進展と成果が得られたものと考えている。
2: おおむね順調に進展している
研究テーマに関する意見交換を大学訪問あるいは学会において他の研究者と行うことができ、研究に進展が見られた。また,進行中の研究成果の一部を,国内外の学会で発表することもできたため。
平成25年度の達成度をふまえた上で,平成26度及び27年度の研究計画を進行させる。平成26年度には,理論体系の開発およびその検討・調整を行い,最終年度(平成27年度)に向けた研究成果のまとめを行うための基盤を作る。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
岸本秀樹・由本陽子(編)『複雑述語研究の現在』
巻: 109 ページ: 41-65
Lingua
巻: 135 ページ: 132-154
Deep Insights, Broad Perspectives: Essays in Honor of Mamoru Saito.
巻: 1 ページ: 192-217
遠藤喜雄(編)『世界に向けた日本語研究』
巻: 1 ページ: 15-43
影山太郎(編)『複合動詞研究の最先端-謎の解明に向けて』
巻: 1 ページ: 143-183