本研究課題の「項の具現化と構文形式に関する総合的研究」は平成27年度が最終年度あたり、前年度で得られた成果をさらに発展させ、研究成果の発表を中心に、当該研究課題の終了をするためのまとめをおこなった。具体的には以下のように研究を進めた。日本語および英語を中心にデータの最終的な整理を行い、研究課題に対する理論的な考察および十分な検討を重ねた上で,国内外の学会やセミナーなどを利用して,研究成果の発表を行った。具体的には、本年度は、関西言語学会のワークショップにおける関係節の名詞句の接近可能性に関する発表、Word-Formation Theories II: Typology and Universals in Word-Formation III Conferenceにおいては、日本語の脱他動詞化に関する発表、International Conference on Role and Reference Grammar 2015においては、日本語の与格の文法的なふるまいに関する特徴などについて発表を行なった。次に、『文法化:日本語研究と類型論的研究』においては、「ない」の文法化についての研究発表も行なった。また、イタリアのベネチア大学、シエナ大学、ハンガリーのNational Academy of Hungaryにおいては、当地の研究者の招待により、シンハラ語の焦点化構文に関するセミナーを行うことができた。訪問先において、研究課題について他の研究者との意見交換ができ有意義であった。さらに、これまでの研究成果および本課題の研究成果の一部を著作した一般向けの書籍を出版することもできた。以上のように、最終年度においては、様々な形で、研究成果の発表の機会を得られ、最終的なまとめを行なうことができたと考えている。
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