研究課題/領域番号 |
24520429
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
稲葉 治朗 広島大学, 文学研究科, 准教授 (10323461)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 国際情報交換 / ドイツ連邦共和国 |
研究概要 |
平成24年度は主に、それまでに行ってきた研究の整理および今後の研究への準備にあてられた。 英語学や言語学一般に関する国内の学会や研究会に積極的に参加し、またそこで専門家との議論を行うことによって、言語理論に関する最新の研究動向の把握に努めた。また、書籍やジャーナル論文の精読による調査も行った。その成果の一部を、平成24年8月にミュンヘン大学で行われた会議で発表した。 ドイツ語学に関しても同様に、学会や研究会を通じて、研究を進めた。日本独文学会による語学ゼミナールに関しては、実行委員を務めただけでなく、ゼミナールの内容に関してドイツ人招待講師と事前に綿密な打ち合わせを行い、8月に行われた4日間のゼミナールにおいても、中心的な役割を果たした。語学ゼミナール日本人参加者のための講演を東京大学のドイツ語学研究グループから依頼され、8月に招待講演を行った。また、ドイツ語を中心とする語順と統語構造に関して斬新的・独創的な研究を行っており、申請者が常に密接な研究上の関係を保っているHubert Haider教授の著書 "The Syntax of German" (2010) に関する書評論文を執筆し、日本言語学会の雑誌『言語研究』に採択された。当論文では特に、従属文の一種である関係文および目的語文の語順に関して、Haider教授とも適宜議論をしながら、研究をまとめた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年6月頃より体調を崩し、それが現在にまで至っているため、研究計画として挙げたテーマの一部において遅れが生じることになった。具体的には、様々な言語における従属文と補文標識に関する記述的データ収集は計画していたほど進まず、従来の研究の整理にとどまることになった。しかしながら、言語理論一般およびドイツ語学研究の領域においては、論文執筆および研究発表や講演の実績を鑑みると、順調に研究が進んだと考えている。特に、ドイツにおいて研究発表を行ったこと、および日本言語学会の学術誌に論文が掲載されたことは、研究の進捗を示すものである。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、特に従属節の研究を中心に行いたいと考えている。対象をドイツ語だけに限るのではなく、日本語における従属節研究なども概観し、特にその統語的特質を中心に研究を進め、引き続き基礎的研究を継続する。また前年度と同様、学会や研究会などへの積極的な参加および文献の調査などにより、一般言語理論およびドイツ語学に関する研究動向の把握に努める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費は、前年度と同様、主に書籍や物品の購入および出張に充てられることになると考えられる。長年使用している電子機器に不具合が生じて、使用できなくなった場合には、新たなものを購入することも必要になる。
|